ITmedia NEWS >

目指したのはリビングと同じ操作〜松下「DMR-E500H」インタビュー(2/3 ページ)

» 2004年12月21日 22時10分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 「DLNAの方向性はAVCサーバーと同じですから、技術検討は1〜2年前からやっていました。E500Hの開発は、DLNAの動きと並行していて、規格を追っかけながら開発を進めてきたという感じです。現在はまだ互換性の検証中ですが」。

――CEATEC JAPAN 2004などで相互接続性の検証をしていましたが、結果はどうでしたか?

photo CEATEC JAPAN 2004のDLNAブース

 「スムーズに繋がるものもあれば、そうではないものもある。いろいろですね。ただ、E500Hも現在の商品に入っているファームウェアでは、DLNA Interoperability Guidelines v1.0に即していると言えません」。

――具体的には、どこが違うのでしょう?

 「DLNAでは、DMS(Diggital Media Server)とDMP(Digital Media Player)の規定がありますが、たとえばDMSに保存した番組を見るとき、ディレクトリを自由に移動できなければならない。しかし、DVDレコーダー(E500H)の場合は、録画番組を保存するフォルダが“決め打ち”になっています」。

 「また、E500HはDVDレコーダーがベースなので、動画送信時もDVDレコーディング規格に沿った形にしています。この部分は、DLNAではオプション扱いですね」

――合わせることはできなかった?

 「E500Hのネットワーク機能は、ほかの部屋でもローカル(DVDレコーダーの直接操作)と同じ画質や操作性を実現することをコンセプトにしています。たとえば、HDD録画した番組を見たいけど、ほかの家族がテレビを見ていて見られないといったことがありますよね。テープなら自由に持ち運べるが、DVDレコーダーはDVDメディアにダビングしないと持ち出せない。それを解決するのがネットワークだと考えています」。

 「ですから、ネットワーク越しに操作した場合でも、ローカルと同じように“巻き戻し”や“早送り”、特殊再生ができないといけない。それを実現するためには、DVDフォーラム規格の『IFO』ファイルが必要でした。IFOファイルには、VOBの先頭がどこにあるとか、管理情報が入っていて、スムーズな特殊再生には必要なものです」

photo DIGA DMR-E500H同士をネットワーク接続した場合は、MPEG-2再生時に“巻き戻し”や“早送り”も可能

――どちらかというと、DLNAのガイドラインにも含まれるべき部分だと思いますが、なぜ入っていないのでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.