CEATECには、家電やIT関連機器のメーカーらが組織する業界団体「Digital Living Network Alliance」(DLNA)によるブースも設けられている。そこでは、異なるメーカーの機器がひとつのネットワーク内でコンテンツの相互利用を行っている様子を見ることができる。
DLNAは、6月に家庭内にある家電・PC・携帯機器の間でネットワークを介してコンテンツをやりとりをするために定めたガイドラインのバージョン1.0を発表しており、展示されていた機器はこのガイドラインに沿って、コンテンツの相互利用を実現している。
デモ環境は4つ用意されており、VAIO type XやDIGA「DMR-E500H」などをコンテンツサーバにし、そのコンテンツを4台のクライアントから自由に視聴できる形が用意されている。
用意されたクライアントは、エニーミュージック端末「NAS-A1」のソフトをDLNAガイドラインに対応させたものや、パナソニックのTVクライアント、ケンウッドのメディアレシーバー、ソニーのネットワーク対応フラットTVなどで、いずれも参考展示段階の製品。
富士通は同社製PCにプレインストールされている「My Media」機能が既にDLNAガイドラインに対応していることを実演しているほか、NECも一部の同社製PCにプレインストールされてるマルチメディア再生ソフト「Media Garage」をDLNAガイドラインに対応させ、実演を行っている。
今回展示されているクライアントの中で、唯一の携帯タイプがソニーのHDD搭載ポータブルメディアプレーヤー。無線LAN機能を搭載しており、ストリーミングでサーバに収められた映像・音楽・画像を再生可能。展示機は画像表示しかできないが、将来的には本製品をサーバとして運用することも可能になるという。
こうしたポータブルプレーヤーを利用するとき、放送を自宅のレコーダーで録画し、その映像をプレーヤーに持ち出すという利用方法は誰もが考える。この展示製品もそう言った用途を想定している。
しかし、その映像がコピーワンスのものだと、ポータブルプレーヤーに持ち出すという行為は「ムーブ」になってしまい、ポータブルプレーヤーで表示可能なクオリティに変換されてしまう。展示されていた製品の液晶解像度はVGAなので、この場合には元の映像がHD画質であっても、持ち出した時点でVGAに変換されてしまい、元のクオリティの映像は失われしまう。
この問題について、本製品を展示しているソニーでは「そうした問題があることは認識しているが、DLNAガイドライン 1.0では(そうした問題に対しての)規定がなく対処できない。近いうちに注目される問題であることは間違いないので、検討していきたい」とコメント。図らずとも、“コピーワンスコンテンツへの対処”という、現時点でのDLNAガイドラインが抱える問題点を浮き彫りにしてしまっていた。
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