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ハードウェアから“海外旅行用辞書”を考える電子辞書を持って海外旅行へ行こう(1)(5/5 ページ)

» 2004年12月28日 08時53分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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 液晶と並ぶ使い勝手を左右するポイント、キーボードはどうなっているだろうか。XD-DP1000は「電卓のカシオ」らしく電卓をイメージさせる四角くストロークのあるタイプで、wordtank V80はキートップの色分けを行うほか、キーの種類によって反発力を変えるなどの工夫が凝らされている。PW-C8000は大きさの割にストロークが浅く、携帯電話のような押し心地。いずれも小型タイプに比べると押しやすさという面では万人に受け入れられる作りで、利用の際にストレスを感じるようなことはないはずだ。

 3モデルとも入力はしやすいが、旅行中に場合によっては立ったまま利用することを考えると、wordtank V80とPW-C8000はその大きさからしてそぐわない。利用できないということではないが、携帯ゲーム機のように両手で挟み親指で入力するにもしても本体サイズが大きい。積極的に携帯して調べ物をするならばXD-DP1000のサイズがギリギリかもしれない。

photo XD-DP1000のキーボード。本体の大きさを活かしたゆとりあるレイアウトのおかげで、同社の電卓にも似た快適な入力ができる。キータッチはやや固めだが、ストロークは深く快適な押し心地。辞書切り替えキーや機能キー、操作キーはシルバー、文字キーは黒に白字となっており、見やすさも十分だ
photo キートップの形状が独特なwordtank V80のキーボード。辞書切り替えキーは四角っぽく、文字キーと右下の操作キーは丸く、そしてキーのカラーリングも5色に塗り分けられておりカラフル。文字キーはストロークこそ浅いものの反発もそこそこで、操作キーは低反発で独特なタッチ。文字キーに比べて操作キーがやや小さめであるのも特徴で、より入力することにフォーカスを置いた製品であるように感じられる
photo PW-C8000のキーは携帯電話のようにカチカチとしたクリック感があり、ストロークも浅い。ただし、取り上げた5製品の中、最大である本体サイズのおかげでボタンひとつひとつも大きく、打ちやすさは良好だ。また、手前方向が広く、戻る、検索/決定、十字ボタンがゆったりした印象を受ける

 このように、スタンダードサイズと呼ばれる製品は「胸ポケットに入れて常時携帯」というよりも、「手帳や旅行ガイドブックと一緒に携帯して、調べたいときに取り出す」というシーンのほうがしっくりくる大きさになっている。

 「海外旅行に持ち出す(=常時携帯する)」ということだけで考えればより小さい方が望ましいことは確かだが、見やすさ・入力のしやすさを重視するならばこうしたモデルを選択することも十分に考えられる。


 このように外見だけを見てみても機種ごとにかなり異なった特徴を持っており、今回は紹介できなかったが、PCのキーボードに似た「カイテキー」を備えるSIIの「SR-T7100」や、ワイド液晶を備えるシャープの「PW-M800」など特徴的なハードウェアを備える機種は数多い。

 「海外旅行に持っていく」ということを考えると、最終的には大きさと見やすさ・使いやすさをてんびんにかけ、利用しているシーンを想像しながら、自分が譲れないところと、許容できるところを見極めることになるだろう。

 筆者個人としては、たくさんの荷物であふれかえっている旅行かばんの中に電子辞書を入れておくよりも、胸元にしまっておきたいと考える。そうなると、とにかく小さい名刺入れサイズを選択することになるが、旅先で常時携帯しないとしても、かばんに潜ませておけば、ホテルで翌日使うだろう会話や単語をあらかじめチェックしておき、紙にメモしておくという使い方も想定できる。

 家電量販店の展示機などを実際に手にして、いろいろと試した上で自分にとってベストな機種を検討してみたいところだ。

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