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» 2005年02月15日 12時24分 UPDATE

連載:次世代DVDへの飛躍Universalに聞く――HD DVDを選んだ理由とは? (1/5)

連載第4回目からは、ハリウッド映画スタジオのインタビューを順次紹介していきたい。一人目は、HD DVDのサポートを昨年早々に表明して注目されたUniversal Picturesのテクノロジ担当上席副社長、ジェリー・ピアース氏。同氏は、Universalの中ではBD派として知られた人物だった。

[本田雅一,ITmedia]

 連載第4回目からは1月にハリウッド映画スタジオに次世代光ディスク事業への取り組みについて聞いたインタビューを順次紹介していくことにしたい。一部はスタジオ側のコメントをピックアップする形で記事として流用しているが、ここではビジネス面だけでなく高画質化や著作権保護といった側面に対するスタンスなど、話題に上ったすべてを、可能な限りそのまま紹介する。

 一人目は、HD DVDのサポートを昨年早々に表明して注目されたUniversal Picturesのテクノロジ担当上席副社長、ジェリー・ピアース(Jerry Pierce)氏である。ピアース氏は、松下電器がUniversalを所有していた頃、画質評価のプロフェッショナル“ゴールデンアイ”として活躍し、技術担当重役として出世した人物。近年は、デジタルシネマフォーマットの策定などに関わっている。それだけに松下電器との繋がりも深いが、今回はその松下電器と袂を分かつことになった。

photo Universal Picturesのテクノロジ担当上席副社長、ジェリー・ピアース(Jerry Pierce)氏

 無論、現在はNBC系列となっているUniversalと松下電器は“他人”である。しかしピアース氏はこれまでも、BDの容量の大きさが将来的なビジネスの成長を支えると上層部に説明してきており、Universalの中ではBD派として知られた人物だったようだ。

 しかし、昨年のHD DVD支持発表以降、ピアース氏は力強くHD DVDのビジネスメリットについて関係者に語っていたという。これだけ大手の映画スタジオが強いコミットをしたのだ。これでビジネスの方向が決まると思ったに違いない。

 ところが、あれから数カ月を経て、1月初旬には89タイトルのHD DVDソフトを発表しても、勝負は決まる様子がない。そんな状況の下、ややトーンダウンした雰囲気の中でピアース氏とのインタビューは始まった。

消費者を規格争いには巻き込みたくはない

――なぜHD DVDのサポートを決めたのでしょう?

 「消費者に対して、どのような技術を届けるべきなのか? 消費者が捉える製品の“良品質”どはどのようなモノであるべきか。その“良品質”のためには、どちらの規格を選ぶべきなのか。そうした基準でHD DVDを選ぶこととになりました」。

――HD DVDを支持したということは、BD向けにはソフトを提供しないと捉えていいのですか?

 「HD DVDのライセンス契約は、決してエクスクルーシブなものではありません。われわれは、作ろうと思えば、BD向けにもいつでもソフトを製作できます。しかし消費者にとって、映像を購入する標準フォーマットが一つであることは、何よりも優先される大切な要素です。繰り返しますが、HD DVDとの独占契約はありません。ですが、消費者のためには一つのフォーマットを選ばなければなりません」。

――HD DVDを選んだ最も大きな理由は何ですか?

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