楽曲の転送には添付のSonicStage 3.1を使用する。SonicStageはフラッシュメモリ型プレーヤー「NW-E507/E505」「NW-E407/E405」「NW-E107/E105/E103」と同時にバージョン3.0が発表されたばかりだが、本製品の登場にあわせてバージョンアップを果たしている。
基本的にはマイナーバージョンアップに留まっており、表示画面領域の拡大、プレイリスト機能、自動転送機能などの特徴はそのままに、「音楽CDからのMP3リッピング」「NW-HD5へのプレイリスト転送機能」が追加されている。
転送自体の方法はこれまでと変わらない。画面右上のダイヤログを「ATRAC Audio Device」にあわせた後、「音楽を転送する」のボタンを押すだけ。WAVやWMAなどはATRAC3/ATRAC3plusに変換された後に転送されるが(標準の変換ビットレートはATRAC3plus 64kbpsだが、ATRAC3 66/105/132kbpsやATRAC3plus 48/256kbpsに変更することもできる)、MP3についてはOpenMG Audioによる著作権保護が施されるものの、そのまま転送される点も変わらない。
付属ヘッドフォンを利用してATRAC3 132kbpsで転送した楽曲をいくつか再生してみたが、音楽の種類によってはやや高音をきつく感じる以外は満足のできる音質だった。試しにヘッドフォンをゼンハイザーのMX400とソニーのMDR-EX51LPに交換してみたところ、特にMX400を使用した場合には高音のきつさも解消されて快適なリスニングを楽しめた。本体自体は素直な特性だが、付属ヘッドフォンはややロック、ポップス向きの性格を持っているといえる。
HDD搭載ポータブルオーディオプレーヤーとしては後発に入る本製品が、カラー液晶を搭載してこなかったはやや意外といえる。しかし、カラー液晶は消費電力が高い。搭載することで同社得意の「スタミナ性能」が損なわれることを嫌った結果だろう。ポータブルオーディオプレーヤーとしての使い勝手や性能を最優先すれば、カラー液晶の搭載が必ずしも必要な要件とはいえないことは、ライバルであるアップルのiPodを見ても明らか。iPodもシリーズ中、カラー液晶を搭載しているのはiPod photoのみだ。
HDD搭載のメリットは収録曲数の多さにあるが、曲数が多くなると言うことは、聴きたい曲にすぐアクセスしにくくなると言う弊害も招きかねない。本製品は使用中のどんな状態からでも目的の曲にアクセスできるという、いわばショートカットキートもいえる「サーチ/メニュー」ボタンを設けることによって、その問題を解決している点にも注目したい。
本製品はスタイリングや操作性、40時間再生という低消費電力性など、ポータブルオーディオプレーヤーに求められる要件を高い次元で満たした製品といえる。
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