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» 2005年04月28日 19時45分 UPDATE

「iPodからも金を取れ」――私的録音補償金で権利者団体が意見書 (1/2)

文化庁の著作権分科会で「HDDプレーヤーにも私的録音録画補償金を課すべきか」という問題が議論された。権利者団体は早急な対応を求めたが、委員は慎重な態度を崩さず。

[渡邊宏,ITmedia]

 文化庁 文化審議会著作権分科会 法制問題小委員会の第3回審議が4月28日に行われた。今回の審議では、図書館や障害者福祉、学校教育の各分野における権利制限についての見直しのほか、私的録音録画補償金制度についての見直しが議論された。後者についてはiPodを始めとしたHDDプレーヤーなど、これまで同制度の対象となっていない機器について、どうとらえるかについて議論が重ねられた。

 「HDDプレーヤーなども補償金制度の対象に含めるべき」という意見は2005年1月に行われた第14回 文化審議会著作権分科会(分科会総会)で既に議題にあがっている。しかし、その際には「実体をふまえて検討する」と報告されるにとどまっていた。

 今回行われた小委員会では、電子情報技術産業協会(JEITA)や日本レコード協会(RIAJ)、日本メディア工業会をはじめ、音楽出版協会、全日本テレビ番組製作社連盟、日本映画制作者協会ら14団体から構成される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」などが同制度についての意見書を提出、議論が行われた。

「HDDプレーヤーはもちろん、PC内蔵のHDDも対象に含めるべき」

 「HDDプレーヤーなども制度の対象にすべき。PC内蔵のHDDや外付けHDD、データ用CD-R/RWなどこれまで汎用機器とされてきた製品も対象に含めるべき」「政令による指定となっている現行制度を改正すべき」との意見書を連名で提出したのは日本音楽著作権協会、日本芸能実演家団体協議会、日本レコード協会、日本音楽事業者協会、音楽出版社協会、音楽製作者連盟、音楽作家団体協議会。

 これら権利者団体は「私的録音補償金制度は権利者と私的録音を行う利用者の利害を包括的に調整する制度として現状では不可欠であり、実態に即した見直しにより同制度の有用性を保持する必要がある」と意見書を締めくくり、制度の強化を要請した。

 「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」も同様の意見を述べているが、加えて、「HDD内蔵型レコーダーとBlu-ray Disc録画機器およびディスクを私的録音補償金制度の対象に含めるべき」とその対象を具体的に示し、早急な対応を求めた。

 一方で、慎重な意見を提出したのが日本記録メディア工業会とJEITA。両者共に「現在の私的録音録画補償金制度は矛盾が拡大しており、抜本的な見直しを行うべき時期に来ている」とした。またJEITAは、専用機器・媒体への適用を前提とした補償金制度を汎用機器や汎用媒体へ拡大することには問題があるとし、一歩進んで「補償金制度は凍結し、むしろ収束の仕方を検討すべき時機が到来している」と述べている。

“補償金制度”の抱える問題とは?

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