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画面を見ないで快適操作――「ドラコン」搭載の三菱HDDカーナビ

» 2005年05月12日 18時18分 公開
[ITmedia]

 三菱電機は5月11日、HDDカーナビゲーションシステムの新製品「CU-H9700シリーズ」3製品を発表した。画面に視線を動かさず、経路検索や音楽再生、電話の主な操作を行える新インタフェース「ドラコン」(ドライビングリモコン)を搭載しているのが特徴。価格と発売時期は下記の通り。

製品型番 主な構成品 実売想定価格 発売時期
CU-H9700MD ナビユニット、7V型インダッシュモニター、TVチューナー 約30万円 5月25日
CU-H9700VP ナビユニット、7V型モニター、TVチューナー 約23万円 5月25日
CU-H9700 ナビユニット 約18万円 5月25日
photo 30GバイトのHDDを内蔵する「CU-H9700MD」。1DINサイズのセンターユニットに7V型インダッシュモニターを搭載した。液晶パネルはIPS方式で、解像度は1440×234ピクセル

 ドラコンは、ハンドルの内側にバンドで固定するタイプの小型リモコンだ。「行き先」「音楽」「電話」や十字キーなど限られたキーだけを備えており、親指一本で操作が可能になる。操作中は、音声でユーザーの操作を誘導する「音声読み上げ」と連携するため、ドライバーは液晶画面に目を移す必要がない。たとえば、メニューの「音楽」を押すと、音声読み上げ機能が「アーティスト名検索」「アルバム名検索」「曲名検索」というサブメニューを案内してくれるといった具合だ。

photo ドラコン。ナビ本体との通信には赤外線を使用

 さらに、ドラコン操作の途中からボイスコントロール(音声認識)に切り換えることも可能だ。音楽再生のとき、通常は「アルバム検索」を指定したあと、アルバム一覧の上を十字キーで移動することになるが、アルバムが多い場合は、やはり目で確認する必要も出てくる。このとき「発話」ボタンを押すと「アルバム003」など、直接音声で指定できるという。

photo 携帯電話番号を選択中
photo もちろん通常のリモコンも付属

 ナビ本体は、三菱が2004年から採用した専用LSI「ナビコア」を搭載。処理速度は従来モデルと同じで、400MHz、720MIPSの高速処理でデータ検索やルート検索もストレスなくスムーズに行える。たとえば、自社位置の更新感覚は100ミリ秒単位と滑らか。高速ルート検索では、JR札幌駅からJR鹿児島駅までの経路を約0.2秒で探索可能だという。

photo

 HDD内蔵の地図には、都市の景観に合わせて交差点を拡大表示できる「ビジュアルシティマップ」のほか、全国のランドマーク的施設を「3Dリアルポリゴンランドマーク」として収録。高速道路では、実際に運転席から見える風景を映し出す「高速クルージングビュー」が利用できる(首都高速、阪神高速、名古屋高速)。

iPod対応は見送り?

 音楽機能も充実させた。CDを再生するだけでHDD内に自動録音する「ミュージックフォルダ」を従来モデルから継承した。さらに、約4倍速録音と同時に“追っかけ再生”する機能を追加。音楽を聴きながら、録音した曲から順番に再生できる。

photo 「ミュージックフォルダ」

 楽曲は、30GバイトHDDの専用エリアに、MP3で約3000曲を保存可能だ(1曲約4分30秒、128kbpsの固定ビットレートを使用した場合)。もちろんCDDBをサポートし、約20万タイトルのデータベースから自動的に曲名やアーティスト名を付加してくれる。最新楽曲も携帯電話を使ってデータをダウンロードできる。

 ただし、流行のiPod連携機能などには対応していない。ポータブルプレーヤーなどを接続する場合は、本体前面の外部入力に接続できるが、操作はプレーヤー側で行う必要がある。

photo iPodなどは前面入力端子に接続可能。操作はiPod側で行う必要がある

 三菱電機では2005年度のカーナビ市場を前年比15%増の415万台と予測。需要が拡大する中で「カーナビ本来の地図探索や誘導にくわえ、音楽再生などの社内エンターテイメント機能が複合化し、操作が複雑になっている」と指摘した。

 「新製品に搭載したドラコンは、画面を注視する必要がなく、指先でより簡単・安全・快適に操作できる新しいインタフェース。他社との差別化を図る意味でも、新製品のコアとなる機能だと考えている」(同社)。

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