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一味違うPC連携――松下のICレコーダー「RR-US050」レビュー:ビジネスに使えるICレコーダー(1/3 ページ)

» 2005年05月30日 17時59分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 「RR-US050」は、2005年1月に発表された松下電器産業のICレコーダー“SlimVoice”シリーズの最新モデル。ステレオ録音に対応した3製品の中ではもっとも低価格だが、上位モデルとの違いは、メモリ容量と液晶ディスプレイのバックライトの有無程度。基本機能は同等と考えていい。

photo ステレオ録音対応ではもっとも低価格なのがRR-US050。デザインは上位モデルのRR-US070/090と共通だが、US050がシルバー、US070がダークシルバー、US090がブラックとグレードごとにカラーリングが固定されてしまうのはちょっと残念。液晶ディスプレイのバックライトは「US050」のみ省略されている

 RR-US050は「Slime Voice」という商品名の通り、29.8(幅)×14.2(厚さ)ミリと非常にスリムだ。サイズだけでいえば、同社の「RR-US009/007」の方が19(幅)×13.2(厚さ)ミリとコンパクトなのだが、こちらはモノラル録音のみでステレオ録音には対応していない。ステレオ録音対応タイプの中では、三洋電機の「ICR-S250RM」と1〜2を争うコンパクトさだ。

 録音フォーマットは、MP3やWMAといったトレンドになりつつある汎用フォーマットではなく、TRC(Triple Rate Coder)と呼ぶ独自フォーマットを採用している。このため、PCでの再生には専用の再生ソフトが必要だ。またPCとのUSB接続はサポートしているが、一体型のコネクタなどは備えておらず、ケーブル接続だ。メモリカードもサポートしない。つまりこの所の「PC直結」「専用ソフトのいらない汎用フォーマット」といったICレコーダーのトレンドに背を向けたようなスペックを持つ。

 電源は単4乾電池2本。動作電圧の関係か、充電地には対応していない。ちょっと不経済かもしれないが、ステレオ録音で約17時間、モノラル録音なら約22時間の録音が行えるので、週に何回も長時間録音するといった人でない限り、さほど気にはならないだろう。電源はホールドスイッチが兼ねており、ホールドをONにするとしばらくして液晶ディスプレイの表示も消える。

photo 電源スイッチ代わりのホールドスイッチは背面。操作が確実なスライド式だ。背面より一段低い位置にあるから、カバンの中に放り込んでおいても誤動作は少ないだろう。マイクの指向性は、独立したスライドスイッチでワンタッチで変更できる
photo バッテリーは単3乾電池2本で、充電池には対応しない。電池交換時でも電池カバーは完全に外れない構造

 上位モデルを含め、録音可能時間の目安は下表の通り。内蔵メモリの容量は公開されていないが、付属ソフトを介して確認できるメモリ容量はRR-US050で30Mバイト程度なので(おそらくメモリ容量としては32Mバイト)、US070は64Mバイト、US090は128Mバイトということになる。音声録音に特化したフォーマットを採用したため、容量に対して録音可能時間が非常に長いのも特長だ。

録音モード RR-US050 RR-US070 RR-US090
ステレオHQ 2時間30分 5時間 10時間10分
ステレオFQ 4時間50分 9時間40分 19時間30分
ステレオSP 8時間10分 16時間40分 33時間20分
モノラルHQ 4時間50分 9時間40分 19時間30分
モノラルFQ 9時間40分 19時間30分 39時間
モノラルSP 16時間30分 33時間20分 66時間50分

基本操作はシンプルだが、使いこなしにはマニュアルが必須

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