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誰でも簡単、安心、迷いなし――オリンパス「CAMEDIA X-600」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年06月02日 18時44分 公開
[小山安博,ITmedia]

 オートでの撮影が中心となるカメラのため、シャッタースピードや絞りの変更はできない。ISO感度の設定も階層が深い場所にあるので、基本的には露出補正やホワイトバランスぐらいを設定し、あとはカメラ任せで撮影する方がいいだろう。

 カメラ任せの撮影でも、ほぼ問題なく撮影ができる印象で、特に悩むことなく撮影できそうだ。撮影した限りは、問題となるような画像は特になかった。

 シーンプログラムはポートレート/パーティーショット/記念撮影/風景/スポーツ/夜景&人物/夜景/セルフポートレートの8種類。決して多いわけではないが、とりあえず必要十分だろう。

 「パーティショット」のみ、画質モードが「SQ1」(1600×1200)と「SQ2」(640×480)からしか選べなくなるほか、「パーティショット」と「スポーツ」では、ISO感度オートでISO 64〜400までの可変となる。そのほかのモードでは、緑や肌の色味を際だたせるなど、それぞれのモードに最適な設定を自動でセットしてくれる。また、ノイズリダクション機能も備えているようだ。

 各撮影設定を変更している途中でも、シャッターボタン半押しですぐに撮影状態に移行できる。撮影後は再び設定画面に戻るので、設定をやり直しながらの撮影などで使いやすい。

 前述の通り、撮影後は液晶下に配置された再生ボタンを押せばいい。液晶は11.5万画素、2.0インチのTFT液晶で、特に視認性や再現性に問題はない。

 再生時は、メニューボタンから「情報表示」を選ぶことで露出補正値やホワイトバランス、ISO感度などが分かるが、シャッタースピードや絞りなどの詳細情報は見られない。撮影時に表示される情報も多くはない。

 拡大再生は5倍まで、インデックス表示は16枚まで選べる。再生モードから撮影モードへの移行は、シャッター半押しだけでいい。レンズが収納されている状態で再生ボタンから再生をした場合は、再生ボタンの隣にある撮影ボタンを押せばレンズがせり出し、撮影可能になる。

 再生ボタンの隣には削除ボタンも用意されており、撮影→再生→削除といった一連の動作が滑らかに行える点はいい。

 少し気になったのが電池寿命だ。電源には薄型のリチウムイオン充電池が採用されており、撮影可能枚数はCIPA規格で約170枚と、決して多い方ではない。それでいて、液晶表示がオフになるスリープモードまで3分、それから自動的に電源が切れるまで15分と、比較的長時間の余裕が持たされている。

photo バッテリーは薄型軽量。メディアはxDピクチャーカードだ

 起動時間が約3秒なので、スリープモードを活用したいところだが、スリープモードよりも、こまめに電源を切って使った方がいいだろう。

 ちなみに記録メディアはxDピクチャーカード。カードは付属しないが、内蔵メモリが14MB搭載されているので、購入後すぐに使えるほか、カードがいっぱいになったときの緊急避難用として使える。

初心者に向けた便利カメラ

 X-600は、大きな特徴を持ったカメラではない。特殊な機能や外観を備えているわけでもないが、高い操作性と安定した作画は、一般的な利用においては特に不満を感じるレベルではない。

 奇をてらわないこなれた操作性とボタン配置、ヘルプ表示機能に加え、おそらくはシーンプログラムもあえて減らすことで、初心者が迷うことなく使えるように配慮しているのだろう。

 薄型軽量の光学3倍ズーム機は、持ち運びやすく、使いやすい。その意味でライバルの多いカテゴリーではあるが、X-600はとにかく初心者にフォーカスしたことが特徴といえるだろう。

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