画質のチェックは先に取り上げた日本ビクターの「LT-26LC60」と同時期、同環境で行っている。視聴したコンテンツもほぼ同じだ。
まずHD映像を標準設定で視聴したが、印象的なのはメリハリが強く立体的で、さらに鮮やかな白だ。標準設定ではかなり輝度が高めで、明るめの照明にもまったく負けない。よくいえば万人向けに見栄えの良い、悪くいってしまうと店頭効果を強く意識したような画質だが、パッと見は“鮮やか”だと感じる。ただし輝度が高すぎるためか、少なくとも同時に視聴した2製品(松下電器産業「TH-26LX500」および日本ビクター「LT-26LC60」)と比較すると“白飛び”することはあった。
今時の製品らしく、動きの激しいシーンでも残像が気になることははほとんどない。標準設定で気になるのは、人肌に若干不自然な赤みを感じる点や、暗部のざらざらっとした若干のノイズっぽさだが、後者に関しては輝度が高目であることも影響しているだろう。原色のテロップなどのエッジにまとわり付くようなノイズは、同時に視聴した3製品ではもっとも少なく、この点に関してはノイズリダクションが効果的に働いている印象だ。
画質設定を「シネマ」に変更すると、標準設定から輝度が大幅に落とされ、まったく異なる製品のような印象すら受ける、落ち着いた画質。標準設定の輝度が高すぎるゆえだろうが、照明を完全に落とす、補助照明だけにするといった環境に合わせるには、確かにこのくらいのダイナミックな違いが必要だ。「シネマ」では暗部のノイズっぽさも大幅に低減され、長時間視聴に適した画質になるが、白の鮮やかさは健在だ。絵作りの基本は同じなのだろう。
地上波アナログ放送やD2出力したDVDビデオ映像でも、輝度の高さやメリハリ感は変わらない。気になるのは「ちょっと作りすぎかな?」という立体感で、たとえば手前の人物と背景が別映像を重ね合わせたように感じることがある。とくに気になったのは地上波アナログ放送で、要するにエッジは立っているのだが、人物などがアップスケールの関係かノイズリダクションの関係か、平面的なのぺっとした描写に感じることがあり、まるで2枚の平面の絵を重ね合わせたようだ。
もっとも、LT26-LC60の回で触れたように、今回同時に試用した3製品は、地上波アナログ放送に関しては多かれ少なかれ、同様の傾向を感じた。26LH100の場合、HD映像では立体感が強いだけに、地上波アナログ放送とのギャップが大きかったということになる。
操作の中心となるリモコンは縦に長いタイプだが、ボタン数の割りに幅はスリムで持ちにくさはない。ほぼ上半分の面積を使ってBSデジタル、地上波アナログ/デジタル用にそれぞれダイレクト選局が可能なボタンが用意されており、ダイレクトな選局操作を実現している。たとえば地上波アナログ+BSデジタル、もしくは地上波デジタル+BSデジタルの視聴が中心であれば、放送波を気にする必要なく、常にダイレクトに選局が行える。
ただし、チャンネルの切り換えに要する時間は地上波アナログ放送を除くと約3秒とかなり遅い。チャンネルのアップダウンキーでザッピング的にチャンネルを選択し、テレビを見る人には辛そうだ。
HDDレコーダー機能も備えているが、その操作は4方向キー部になかなかうまく割り付けている。必要最小限の操作しかできないともいえるが、HDDレコーダー部に関しては録画して見る、消すが基本になる(DVDメディアなどにダビングはできない)ので、不便を感じることはなさそうだ。
画質や画面サイズの変更など、ほとんどの操作はクイックメニューから行う。同社のDVDレコーダー「RDシリーズ」とも似た操作体系だ。チャンネル操作と異なりこちらはダイレクト感には欠けるのだが、チャンネル操作以外の事を行う場合にはとにかくクイックボタンを押せば良い、というのはかえって分かりやすいのかもしれない。
EPGは、RDシリーズでお馴染みのインターネットから取得する「iNET」で、アナログ地上波もカバーする。Gガイド採用製品に比較すると広告スペースがなく、6チャンネル5時間分表示と一覧性は高い。レイアウトは固定だが、フォントサイズの変更は可能で見易さと番組あたりの情報量のどちらを優先するかも選択できる。今回は無線LAN(IEEE 802.11b)経由でインターネットに接続したが、番組表表示までのタイムラグもほとんど気にならず、快適に使用できた。
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