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MPEG-4動画や高感度撮影が魅力のスリム機――“EXILIM CARD”「EX-S500」レビュー(2/4 ページ)

» 2005年07月20日 11時50分 公開
[永山昌克,ITmedia]

動画専用のムービーボタンを搭載する

 ボディ背面の上部には、3つのボタンが並んでいる。左の2つは、最近の同社製品ではおなじみのもので、撮影と再生のダイレクトボタンである。ボタンタッチで撮影モードと再生モードの切り替えができるほか、どちらかのボタンを押して起動や終了の操作ができる。

photo 背面のボタン類は左から、再生のダイレクトボタン、撮影のダイレクトボタン、ムービーボタン、ズームボタン。右下には、メニューボタン、ベストショットボタン、コントロール(十字)ボタンがある

 その右にあるのは、新設された動画用の撮影ボタンだ。従来までのEXILIMシリーズとは異なり、静止画モードと動画モードの切り替えがなく、この動画ボタンを押すことで、いつでも動画撮影を開始できる。また動画撮影の最中でも、ボディ上部のシャッターボタンを押せば、動画は一瞬途切れるものの、動画と静止画の同時記録ができる。

photo テレビでの再生、PCへの転送、バッテリーの充電を行うためのクレードルが標準付属。旅行用には、オプションの単体充電器を購入したほうが便利かもしれない。また、クレードルなしで本体に直接つなげられるオプションのAVケーブルもある

 動画のスペックは、フレームサイズが640×480ピクセルで、フレームレートが30fpsとなり、MPEG-4圧縮のAVIムービーをカード容量まで連続記録できる。同じくMPEG-4動画が撮れる「EXILIM PRO EX-P505」に比べると、音声がステレオではなくモノラル録音であることや、動画撮影中の光学ズームが使用できないなどの制約はある。ただし、動画の専用ボタンや、静止画の同時記録の機能は、EX-P505にはない利点だ。

photo 640×480ピクセルの高品位で撮影した動画ファイル。動画撮影中はデジタルズームのみとなり、光学ズームは使用できない。またAFは作動せず、固定焦点となる。動画はこちらをクリック(AVIファイル約11.2Mバイト)
photo 同じく高品位モードの動画ファイル。固定焦点とはいえ、被写界深度が深いのでシャープに写る。カード容量までの連続記録に対応し、高品位モードの場合、256MBメディアに約8分29秒まで記録できる。動画はこちらをクリック(AVIファイル約4.14Mバイト)

 動画に関する付加機能も見逃せない。シャッターを押した5秒前から録画を開始するパストムービー、シャッター押した前後の8秒間を記録するショートムービー、無声映画の雰囲気で画面がモノクロになり、速度が速くなるサイレントムービー、撮影した動画から9コマの静止画を切り出すモーションプリントなど、EX-P505から受け継がれたユニークな動画機能を備える。

photo 動画から1コマまたは9コマの静止画を切り出すモーションプリント機能を搭載。9コマの場合は、このようにレイアウトされたJPGファイルを作成できる

 またカメラ内での動画編集機能としては、ファイルの分割や結合はできないが、前後または中間の不要部分カットして上書き保存する機能がある。

 一方、静止画の機能としては、AF補助光や9点マルチAF、シャッターチャンス優先で撮影できるクイックシャッター、シームレスで切り替わるマクロ機能、100枚をわずか10秒でコマ送りする高速再生、光量不足を自動補正するフラッシュアシスト、斜めから撮影した長方形の被写体を真正面から撮ったように自動補正するビジネスショットなどを搭載。非常に多機能であり、撮影の自由度は高いといえる。

photo 撮影メニューのフォーカス方式では、AFやマクロ、無限遠、MF(マニュアルフォーカス)に加え、ピントを近距離に固定するPF(パンフォーカス)を選べる。

最大ISO1600までアップする高感度モード

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