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スロットインでスマートにDVD鑑賞――DreamMaker「C-3FM」レビュー:ポータブルDVD特集(2/3 ページ)

» 2005年08月17日 18時39分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ディスクは右側面のスロットから挿入。10秒ほどで認識され、即座に再生が始まる。スロットイン構造は、本体デザインへの寄与だけでなく、安定性の面でもメリットがあるようだ。トップローディングタイプでは、ドライブカバーに不安を感じるケースも多かったが、この製品ではディスクをいったん挿入してしまえば、確実にローディングされ、安定した回転を行ってくれる。本体を少々動かしても、ディスクの擦れるような異音などは生じない(もちろん、大きく動した場合は別だが)。また、動作時にはかすかな高周波ノイズが発せられるものの、ディスクの回転音はほぼ気にならないレベルだ。

photo DVDは左側面のスロットへ挿入する。半分ほど入れれば、あとはスッと自動的に収納してくれる。当然ながら、8センチメディアは使用できない
photo スロットの横にはLEDインジケータも装備され、DVDの再生中はずっと点滅している

 市販のDVDビデオのほか、ビデオモード記録であればDVD±R/RWも再生できる。本体でのDTSデコードも可能だ。2層記録のDVD-R DL、および、DVD+R DLも特に問題なく再生された。ほかの多くの製品と同じく、オーディオCDや、CD-R/RWに保存されたMP3やJPEGの再生にも対応している。ただし、VRモードで記録したDVDには非対応だ。

 本体のみであれば、サイズは231(幅)×170(高さ)×26(厚さ)ミリとコンパクトだ。バッテリーは折り畳み構造で、スタンドとしても利用するのだが、伸ばした状態では220×110×20ミリ程度の大きさとなる。バッテリーをL字にすれば、合体したままでも本体に高さが15ミリ、一部の厚みが20ミリ程度加わっただけですませられるが、その状態ではDVD鑑賞はもちろん、持ち運びにもあまり適さない。移動時にはバッテリーを取り外すのが基本と考えたほうがいいだろう。付属キャリーバックも合体状態では収納不可だ。

photo バッテリーは本体底部に取り付けるのだが、折り畳み構造になっており、スタンドの役割も果たしている
photo バッテリーとの合体時には、このネジを手で回して固定/解除を行うため、しっかりと装着できる

 バッテリーの重さからして、さぞや長時間再生が可能だろうと思い込んでいたら、「フル充電から3〜3.5時間の連続使用が可能」と書かれている。少々期待はずれだが、実測でも3時間28分程度と仕様に準じた結果となった。また、充電には約4時間が必要だ。

photo バッテリーを外すと、このような感じ。中央に固定用のネジ、左に本体との接続コネクタがある。その間にある小さな穴は電源入力で、本体と接続していない状態でも充電が可能だ
photo 本体の背面には簡易スタンドが収納され、バッテリーを装着しない場合にも自立ができるようになっている

 画面はワイド8.5インチで、画素数は480×234ピクセルとなっている。ここまで紹介してきた製品と大差ないわけだが、液晶の隙間があまり目立たず、表示品質はなかなかよい。明るさも十分で視野角も広いため、少し距離を置いて眺めていても、しっかりと映像を楽しめる。

 ただ、難点もある。動きの速いシーンにはどうも弱いようで、場合によっては残像がかなり目障りだ。また、近接で凝視すると、色ズレ(にじみ)も発生している。ただし、ともにあくまで“若干”というレベルであり、トータルで見れば、これまで紹介してきた製品の中でも優秀な部類に入る表示品質だ。

photo 動きの速いシーンには弱いという印象を受けるものの、全体的には優秀な表示品質だ。画素数は480×234ピクセルにとどまるものの、特に粗いとは感じない

 4:3映像への対応は、ほかの多くの製品と同じく、手動で画面モードを切り替えないと、横に引き伸ばされた表示になってしまう。しかも、この製品の場合は、画面モードの切替が1ボタンではないのが輪をかけて面倒だ。本体にしかない「M」(モード)ボタンを4回押し、カーソルで4:3を選ばなければいけない。また、4:3画面モードにした場合に、ズームを行っても画面いっぱいには表示されない点も同様。このあたりにきちんと対応していた製品は、いまのところ、パナソニック「DVD-LX95」のみである。

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