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勝手に始める撮影術「波と水平線とイルカの関係」勝手に連載!海で使うIT(2/6 ページ)

» 2005年10月08日 01時10分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「船」は構図のどこかに入れておこう

 季節もいいことだし三連休でもあるし、どんどん船の上で撮影しましょう、ということで今回の「勝手に始める撮影術」である。ただし、私は編集部でもビリを争う「撮影下手」なので、露出がどうとかシャッタースピードがどうの、といったカメラテクニック的な説明は荻窪氏が連載している本家本元の「撮影術」を参考にしていただくとして、ここでは、私の「サンデー船乗り」経験から思いついたTipsをまとめてみた。いかんせん「撮影のプロ」ではないので不完全なところもあると思う。そこは、この記事を文字通り「叩き台」にして「いやいや、俺っちならこう撮るぜ」と大いに盛り上がって(血祭りにあげて)各自の秘蔵テクニックを伝授していただきたい(と私も切に願うところである)。

 私が思うに、「船上撮影」は大きく3つのカテゴリーに分けられる。第1は「きれいな風景を思い出に残す」という山岳写真や水中写真と共通のテーマ。そして第2が「航海の資料として残す写真」。最後に「船のチューニングデータとして利用する写真」となる。3番めのセールトリムやマストチューニングのデータとして使う写真はレースなどで必要となるが、残念ながら私はレースセーラーではないので、その手の写真に習熟していない。これらの撮影の仕方や利用方法については、舵社から出版されているセールトリムの解説テキスト「現役レーサーが伝授する──クラブレーサーのためのセールトリム虎の巻」などを参考にしていただきたい。

 ここでは残りの「きれいな風景」と「航海資料」のための写真の話をしよう。

 「船の上から撮る写真」と「海で撮る写真」で何が違うのか。同じ海を撮るんでしょ、と多くの人は思うだろうが、例えば伊豆諸島にあるどこかの島に行ったとき、「東海汽船で行きました」と「自分たちの船で自分たちの力で行きました」ではまったく違う話になる(ITmediaなのに、あえてこの記事を読んでいるスキッパーならこの気持ち分かるはず)。そう、肝心なのは「自分たちの船」という、いささか自己陶酔的なキーワードである。ゆえに、私の船上撮影術では「絵的な見栄え」よりも「自分の船をフレームにうまく収める」ことが重要になってくる。

いかにも「島」という姿の利島。構図的には島を大きく切り取ったほうがいいのだろうが、船乗り的には「滑車」「ロープ」「セール」をフレームにいれておきたい。ただ、船を一部分を島と一緒に写しておくと、島の大きさや距離感が演出できる、というメリットはある

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