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単焦点レンズが似合うフルサイズのデジ一眼――キヤノン「EOS 5D」〜広角レンズ編レビュー(3/4 ページ)

» 2005年12月09日 13時20分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 ここから先のページの作例に使用したのは、「EF24mm F2.8」、「EF28mm F1.8 USM」、「EF35mm F2」の3本だ。いずれもフィルムが主流の時代に発売したレンズであり、設計はやや古い。24mmと35mmについてはUSMタイプではないので、AF駆動音が静かとはいえない。それでも、プロ機以外では初めて登場したフルサイズデジタル一眼のEOS 5Dには、うってつけのレンズだと思う。

 あえて広角レンズばかりを選んだのは、広角によるボケの表現を試し、紹介したかったからだ。一般的にボケといえば望遠系のレンズを連想しがちである。だが、EOS 5Dに開放F値の明るい広角単焦点レンズを組み合わせれば、広い範囲を写しながらも、同時にボケ味を表現できる。APS-Cサイズのデジタル一眼レフ機ではなかなか難しい、フルサイズ機ならではの撮り方だ。標準や中望遠レンズについては、次の機会で取り上げたい。

photo 左から「EF24mm F2.8」、「EF28mm F1.8 USM」、「EF35mm F2」。APS-Cサイズのデジタル一眼レフ機では、いずれも中途半端な画角になるが、フルサイズのEOS 5Dなら使いやすい
photo どのくらいボケが違うかをテストしてみた。このカットは、APS-Cサイズのデジタル一眼レフ機「EOS 20D」にズームレンズ「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」を付け、17mm側で撮影。35mm換算の焦点距離は約27mm。絞りは開放のF4
photo このカットは、EOS 5Dに「EF28mm F1.8 USM」を付けて撮影。撮影距離は上のカットと同じで、絞りはF4に揃えた。画角はほとんど同じだが、レンズの実際の焦点距離が長い分だけ、ボケ量はこちらのほうが大きい。またピントが合った部分の画質の差は、撮像素子の違いもあるが、ズームと単焦点による光学性能の差が大きい
photo 同じくEOS 5Dに「EF28mm F1.8 USM」を組み合わせ、絞りを開放のF1.8にセット。そのほかの設定は変えていない。このボケこそが、わたしがEOS 5Dに惹かれるいちばんの理由だ

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