ITmedia NEWS >

Apple新製品発表会レポート――ジョブズ氏が「Apple流ホームエンターテイメント」をデモ(2/4 ページ)

» 2006年03月02日 07時00分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

Mac miniをリビングルーム環境へ

 こうしたMac miniの特徴を、ジョブズ氏は「BYODKM(Bring Your Own Display, Keyboard and Mouse)」と表現している。つまり、好きなディスプレイやキーボードをかき集めれば、Mac miniにつないですぐに利用できるということだ。「そこにある(Windowsなどが動作している)タワーPCのディスプレイとキーボードのケーブルを引き抜いてきてMac miniにつなげば、すぐにでもMac環境になる」と冗談めかして同氏はその特徴を語る。

Mac miniの基本コンセプトともいえる「BYODKM」(左)。BYODKMにより、Windowsマシンの環境にMac miniを持ち込んでも、そのディスプレイやキーボードを流用できる(右)。だが今回、ここに1つの変化が…

 だが今日の本題はPCディスプレイやキーボードへの接続ではない。ジョブズ氏の背面スクリーンに表示されたスライドには、ソニーが現在売り出し中の大型液晶TV「BRAVIA」が映っている。「新型Mac miniなら、中に格納されたコンテンツを大画面TVで楽しむことができる」と、すでに新型Mac向けに公開されていたメディアプレイヤーの「Front Row」と赤外線リモコン「Apple Remote」を紹介し、この2つを利用しながらリビングルームなどでソファに座りながら離れた場所でMac miniを操作し、大画面TVでコンテンツが楽しめることを強調した。

「Mac miniはこんなデバイスにも接続できる」とジョブズ氏が指差す先には、ソニーの大型液晶TV「BRAVIA」の姿が(左)。リビングルームのような場所で、いちいちキーボードやマウスで操作していたら煩わしい。そこで登場するのが小型リモコンの「Apple Remote」だ(右)

 実際に、壇上のMac miniに対して離れた場所からApple RemoteでFront Rowの制御を試みるジョブズ氏。だがプレイリストを開いてみると、なんと肝心のコンテンツがない。痛恨のミスかと思いきや、会場の最前列にいたApple Computerのワールドワイドプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるフィリップ・シラー氏が自身のMacBook Proを掲げ、自身のマシンへの無線LAN接続を促す。そう、実はこれはFront Rowの最新機能の紹介デモだったのだ。ジョブズ氏がFront Rowのメニューで「Shared Music」の項目を選択すると、そこにはシラー氏のMacBook Proのプレイリストが表示され、コンテンツが再生可能になっていた。これは「Bonjour」と呼ばれるFront Rowに新しく追加された機能で、有線/無線にかかわらずネットワーク接続された近隣のマシンを探索し、複数のマシン間でプレイリストをネットワーク共有できる。動画コンテンツを選択した場合には、コンテンツ再生はストリーミングの形態をとる。

壇上にあるMac miniを離れた場所からApple Remoteで操作するジョブズ氏(左上)。ところが壇上のMac miniのプレイリストには曲が1曲も入っていないとのメッセージが(右上)。すると、最前列にいたフィリップ・シラー氏が「Shared Music」の項目から自身のMacBook PROへアクセスするように促し、Mac miniの画面にはシラー氏のMacBook Proが表示される(左下)。これらはFront Rowに追加されたBonjourのデモだったのだ(右下)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.