こうしたMac miniの特徴を、ジョブズ氏は「BYODKM(Bring Your Own Display, Keyboard and Mouse)」と表現している。つまり、好きなディスプレイやキーボードをかき集めれば、Mac miniにつないですぐに利用できるということだ。「そこにある(Windowsなどが動作している)タワーPCのディスプレイとキーボードのケーブルを引き抜いてきてMac miniにつなげば、すぐにでもMac環境になる」と冗談めかして同氏はその特徴を語る。
だが今日の本題はPCディスプレイやキーボードへの接続ではない。ジョブズ氏の背面スクリーンに表示されたスライドには、ソニーが現在売り出し中の大型液晶TV「BRAVIA」が映っている。「新型Mac miniなら、中に格納されたコンテンツを大画面TVで楽しむことができる」と、すでに新型Mac向けに公開されていたメディアプレイヤーの「Front Row」と赤外線リモコン「Apple Remote」を紹介し、この2つを利用しながらリビングルームなどでソファに座りながら離れた場所でMac miniを操作し、大画面TVでコンテンツが楽しめることを強調した。
実際に、壇上のMac miniに対して離れた場所からApple RemoteでFront Rowの制御を試みるジョブズ氏。だがプレイリストを開いてみると、なんと肝心のコンテンツがない。痛恨のミスかと思いきや、会場の最前列にいたApple Computerのワールドワイドプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるフィリップ・シラー氏が自身のMacBook Proを掲げ、自身のマシンへの無線LAN接続を促す。そう、実はこれはFront Rowの最新機能の紹介デモだったのだ。ジョブズ氏がFront Rowのメニューで「Shared Music」の項目を選択すると、そこにはシラー氏のMacBook Proのプレイリストが表示され、コンテンツが再生可能になっていた。これは「Bonjour」と呼ばれるFront Rowに新しく追加された機能で、有線/無線にかかわらずネットワーク接続された近隣のマシンを探索し、複数のマシン間でプレイリストをネットワーク共有できる。動画コンテンツを選択した場合には、コンテンツ再生はストリーミングの形態をとる。
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