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東芝 藤井氏、「BD 5つのメリット」に反論(2/3 ページ)

» 2006年03月31日 20時37分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

東芝の描く未来予想図、「2008年にはHD DVDとDVDの立場が入れ替わる」

photo 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏

 「本当にお待たせいたしました」

 発表会が始まると開口一番、藤井氏はそう切り出した。同社は本来、2005年中にHD DVDプレーヤーを投入する予定であったが、著作権保護機能「AACS」ライセンス開始の遅れから延期されていたからだ。

 「本当にギリギリまで、発表会で発売をアナウンスできるかわからなかった。間にあわなかったら、壇上でお詫びの原稿を読むつもりだった(笑)」。

 同社の予測では、地上デジタル放送の開始される2011年には高精細な大画面テレビ(32V型以上)の需要は680万台にまで上昇、コンテンツの高精細化も同じペースで進んでいくという。その波に乗りおくれないよう、HD DVDを訴求したいというのが同社の考えだ。

photo 大画面/高精細のテレビとともに成長するHD DVD

 「大型テレビでHD DVDのコンテンツを見れば、画質の違いが明らかに認識できる。テレビと歩調をあわせた形で需要は高まるだろうが、個人的には急速にシフトしていくと考えている。今年中は難しいかもしれないが、2008年度には現行のDVDと立場が逆になっているはずだ」(藤井氏)

 HD DVDの登場によって市場構成にも変化が起こるという。現在はVHSもまだ広く使われており市場の約40%を占めるが、2011年にはHDDを内蔵したHD DVD録画機が約60%、HD DVDプレーヤーが約35%になるほか、ダウンロードでコンテンツを入手するモデルが約15%まで伸びるという。

photo 2011年には地デジ対応のHDD/HD DVDレコーダーが60%のシェアを握るという予測

 「HD DVDは世界の約240社からなるDVD規格の標準化団体“DVDフォーラム”で承認された唯一の次世代光ディスク。既存DVDとの互換性も完全に保たれている、唯一の次世代スタンダードだ」(藤井氏)

photo HD DVDは「iHD」と呼ばれるインタラクティブ機能を標準でサポートする。本編を再生しながらチャプター一覧や解説などを呼び出せる(各機能はソフト側の実装によって異なる)

 Blu-ray Disc(BD)プレーヤーでもあるプレイステーション 3の11月発売が決定、HD DVDプレーヤーも発売されたことから、いよいよBD/HD DVDの競争は本格化する兆しを見せているが、藤井氏はあくまでも「HD DVD有利」を強調する。

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