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家族の味方? 導入の敷居を下げるAVシステムレビュー:「ビエラリンク」対応機器を試す(後編)(2/3 ページ)

» 2006年04月11日 21時52分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 入出力はAV入力が5系統で、うち4系統がS端子、2系統がコンポーネント入力もサポートしている。これにCDプレーヤー接続用の音声入力1系統、デジタル音声入力も光と同軸で2系統ずつあり、かなり豊富だ。ただし、出力はビデオがコンポジット出力とコンポーネント出力が1系統ずつ、音声が5.1ch分と主にモニター用途のみ。ダビングを意識したAVセレクター的な機能は備えておらず、あくまで一般的なリビングAV向けの製品といえる。これにビエラリンクを実現するためのHDMI端子が2系統加わることになる。

photo SU-XR57の背面。さすがに端子数は多いが、入力主体でダビングなどをあまり配慮した物ではない。DVDレコーダー/プレーヤー、VHSデッキ、CDプレーヤーが各1台ずつという使い方を想定している

 ビエラリンク接続時には、このAVアンプのリモコンをメインで使用することになる。最上段には、電源ボタンと並んで“入力と操作対象になる機器を同時に切り替える”セレクタボタンを装備。その下にテレビ操作用のボタン、ほぼ中央にDVDレコーダー/DVDプレーヤー/CDプレーヤー/VHSデッキを主に操作するボタン、主にDVDレコーダーを操作するボタン、そして最下段にAVアンプを操作するためのボタンがある。

 かなりにぎやかな感じだが、実際には「簡単リモコン」になる前のDIGAのリモコンにセレクタボタンとAVセンター部の操作ボタンが追加された程度だ。サイズもそれほど大きくはない。

photo 左から「TH-32LX600」(ビエラ)、「SU-XR57」(AVアンプ)、「DMR-EX350」(DIGA)のリモコン。「SU-XR57」のリモコンは思いのほかコンパクトであることがわかる。DVDレコーダー操作部もDIGAのものに似せているようだ。なお、「TH-32LX600」のリモコンはDVDレコーダーの操作機能を持たないため、「SU-XR57」抜きでビエラリンクを利用する場合、2つのリモコンを併用する必要がありそうだ

 操作も比較的わかりやすく、再生デバイスの選択するとAVセンターの入力とリモコンの操作対象が切り替わる。“ビエラリンクならでは”と感じるのは、たとえばビエラの内蔵チューナーでテレビを視聴していても、DIGAで再生ナビなどを起動すると入力が自動的にHDMIに切り替わり、DIGAの映像が表示されるところだ。

 また、SU-XR57の電源が切れている場合にはHDMIがスルー接続されるので、音声はテレビのスピーカーで十分といった時でもSU-XR57の電源をわざわざ入れておく必要はない。これならAVアンプの存在を気にせずに使うこともできる。

 DIGAの操作も、SU-XR57付属のリモコンでほぼまかなえる。4色のカラーボタンがないなど、一部の機能はメニューやサブメニューから操作する必要も出てくるが、とりあえず録画予約をする、録画した番組を見る、といった用途は一通りこなせるし、ボタン配置なども似せているので違和感もない。

photo SU-XR57付属のリモコンでは、再生ナビの一覧の切り替えはサブメニュー操作が必要になる。テレビ機能の操作との重複も配慮したのかもしれないが、4色のボタンを付けても良かったのでは?

 駆け足のレビューになったが、少なくともDVDレコーダーと大型テレビをコアとしたAVシステムとしては確かに便利だ。実際、家にはテレビもDVDレコーダーもあるが、DVDレコーダーがどれだけ便利で親切になっても、そもそもどうやったらテレビにDVDレコーダーの映像が映るのか……といったあたりが既にハードルになってしまい、家族がDVDレコーダーを使えないといった悩みを持つ人も多いのではないだろうか。ビエラリンクでは、少なくともこうしたハードルがぐっと低くなる。ビエラリンクは、家族を説得してデジタル放送対応の大型テレビとDVDレコーダーを一気に導入する、良い理由付けにもなりそうだ。

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