松下電器産業の高倍率ズーム機LUMIX FZシリーズには、型番の数字が1桁のスタンダードモデルと、数字が2桁のハイエンドモデルの2系統がある。後者の最新作がこの「DMC-FZ50」だ。2003年の「DMC-FZ10」から3回目のモデルチェンジであり、CCDの画素数はついに1000万画素を超えた。
前作の「DMC-FZ30」でも、十分に高画素といえる800万画素CCDを搭載していた。今回、1010万画素になったからといって、サービス判やキャビネ判の印刷では目で見て分かる違いはない。1010万画素が生きるのはA4以上に大きく印刷した場合だ。特に遠景など細かい部分の再現は、少しでも画素数が多いほうがきっちりと解像するし、部分をトリミングする場合にも有利になる。
では、印刷しない場合はどうなのか。パソコンのディスプレイで見るだけなら高画素は必要ないと言う人もいるが、わたしはそうは思わない。1010万画素のピクセル数は3648×2736もあり、等倍に表示すればディスプレイの一画面には収まらず、画像の一部分しか見られない。でも、画面をスクロールしながら部分を眺める、という写真の見方も面白いと思う。ちょっとマニアックで変則的な見方かもしれないが、別に画質のアラ探しをしたいわけじゃない。肉眼やカメラの液晶上では気付かなかったものが見つかったりして、意外と楽しめるのだ。
DMC-FZ50の1010万画素と光学12倍ズームの組み合わせだと、細部を見る面白さがさらに深まる。例えば下の作例は、上野不忍池をズームのワイド側とテレ側でそれぞれ撮影した2枚だ。ワイド側は普通に肉眼で見た状態に近い画角で、テレ側は望遠鏡を覗いたような画角といえる。肉眼では米粒のようにしか見えなかった鳥の楽園を、テレ側の作例でははっきりと確認できる。よく見るとカメも3匹写っている。たとえが古いが、ウォーリーを探せのような感覚だ。
もっと実用的な使い方として、鳥や動物、昆虫などの生態観察にも役立つ。作例は野生ではなく動物園で撮ったものだが、等倍表示にしてディテールをじっくりと眺めるほど色んな発見がある。
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