コラム
» 2006年09月26日 12時06分 UPDATE

プロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと」!:“ケータイでプレゼンテーション!”にリアリティはあるか?! (1/4)

客先でのプレゼンのため、PCを持ち歩いている人は多いだろう。これをもっと軽くできないか? 「W-ZERO3es」と秘密兵器を使ってケータイでのプレゼンに挑戦してみた。

[竹村譲,ITmedia]

 筆者は、この約20年間に、プレゼンテーションというモノを何百回となくやってきた。現在の「PowerPoint」に代表される専用プレゼンテーションソフトの登場以前は、Macのお絵描きソフトを使い、フリーランス、花子、それら以外の今はない多くのソフトウエアを使ってプレゼンテーション・スライドを作ってきた。

 プレゼンテーションの創世記には、モノクロの印刷資料を聞き手に配付して、今では殆ど見る機会もなくなってきたオーバーヘッドプロジェクターを使用してマスター画面を壁面にモノクロ投影して行った。そして、カラープリンターの出力にプロジェクターが加わり、その規模はどんどん大きくなり、ごく簡単に千人規模でのプレゼンテーションができるほど、周辺機器やテクノロジーは進歩成長した。

 プレゼンテーションは、当初、PCとは切っても切れない密接な関係ではなかったはずだ。たまたまプレゼンテーション・スライドの制作ソフトがPC上で動くモノであったために、PC上でプレイバックするのも自然の成り行きだった。それをまだまだ高価で巨大なプロジェクターで壁面に投影し、会議の参加者が同じ条件でディスカッションできる仕組みが会議を大きく変化させた。

 液晶技術の進歩が、モバイルPCを産み出し、同じ技術の応用である液晶プロジェクターが登場、ビジネスピープルの集まる会議では、モバイルPC+液晶プロジェクターによるプレゼンテーションがごく一般的なスタイルとして定着したのだ。

 モバイルPCも液晶プロジェクターも、開発ターゲットの1つは、操作性を犠牲にせず、できる限りサイズをコンパクトに軽くすることだった。多少かさばっても、モバイルPCはプレゼンテーション以外に、電子メールや、表計算、ワープロなど、ビジネスの日々のシーンで活用できるので、持ち歩くビジネスマンは多い。

 一方、液晶プロジェクターの開発社側にも「モバイルされたい」という気持ちはあるが、目的が単一的であることと、モバイルPC技術の要であった液晶技術の競争によるLCDパネルの低価格化が、液晶プロジェクターの低価格化を加速した。それらの結果、多くの法人が自社の会議室にどんどん安くなった液晶プロジェクターを備品として備えて行ってしまったというのが現実だ。

 ビジネスマンとPCとの関わりを見てゆくと、それが幸か不幸かは別にして、定額ブロードバンドの普及により、24時間365日、会社や顧客とコンタクトを取りながら仕事を進めることが可能になってしまった。

 筆者は、日本アイ・ビー・エムでThinkPad230Csという世界で初めてカラー液晶を採用したモバイルPCの商品企画をやっていた1994年頃、軽量のThinkPad 230Csと、アナログ携帯電話、携帯電話専用のモデム、そして既にビジネス界ではデファクトだったLotus Notesを使用していた。そして「常に上司や会社側は、筆者に確実に連絡がつく」という技術的裏付けを理由に、「バーチャルオフィス」という概念をでっち上げ、それ以来、当時、半蔵門にあったオフィスには出社しないことを実現した。

 モバイルワークの基本は、本来の目的と現在位置の間を、距離、時間、作業などを最短、最小で結合することであり、それらを阻害するモノは、ありとあらゆるモノを排除することを基本要件として規定することが重要だ。

 そのために必要とする機器を最小限にするということにおいて、モバイルPCはその後10年以上に渡って小型化・軽量化が進んだ画期的なIT商品だ。残念ながら、人間の手のサイズは古代から現代まで、さほど変わってはいないために、多くのPCメーカーの目標は本体重量の軽量化に向かった。しかし、モバイルというタフな環境に耐えるには軽量化にも限界があり、使い勝手と携帯性、堅牢性を分立できる軽量化は、ほぼどのメーカーを見ても1キロ〜1.5キロ近辺であることが理解できる。

jn_1.jpg ケータイプレゼン(右)は従来のモバイルプレゼンを一蹴するか?!
jn_2.jpg 超軽量のモバイルでも、まじめに使えるモノは1キロ〜1.5キロはある

 モバイルPCの進化の一方、国内だけでも9000万超ユーザを抱えるケータイ電話の進歩にも著しいモノがある。日本国内では、先行したiモードの影響もあり、欧米とは異なる「お子ちゃまアプリ」が先行した傾向はあった。だが、既に、ビジネスマンのEメール サブ・クライアント機器としてのポジションは確立され、今後は、さらにディープなビジネス用途への拡大展開と機能の充実が期待されている。

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