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強力なNC効果と上品なサウンドを両立――オーディオテクニカ「ATH-ANC7」レビュー(1/2 ページ)

» 2007年02月14日 17時08分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 これまでノイズキャンセリング(NC)製品といえばボーズとソニー、フィリップスなどのメーカーが数種類をリリースする程度のマイナーな製品ジャンルだったが、昨年秋にNC機能搭載型のウォークマン(NW-S7xx)が登場して以来、せきを切ったように各社から製品が登場し、一気にメジャーな存在となった。

 2月下旬に販売が開始されるオーディオテクニカの「ATH-ANC7」“Quiet Point”もそうしたNCヘッドフォンのひとつ。製品の発表自体は去年10月に行われていたが、発売が延期されていた。「環境ノイズを85%以上低減する」というその威力を試してみた。

photo オーディオテクニカ「ATH-ANC7」“Quiet Point”

 外観は一般的なオーバーイヤータイプで、ハウジングサイズは実測で約9.6ミリ(縦)×約8ミリ(幅)×約3.8ミリ(奥行き)、約200グラム(本体のみ)。同種の製品としては日本ビクターの「HP-NC80」(レビュー)、東北パイオニアの「SE-MJNS」(レビュー)、ボーズの「Quiet Comfort2」(レビュー)、などがあるが、それらと比較しても平均的かやや小柄なサイズといえるだろう。

photophoto ハウジングサイズの実測。コードを外してノイズキャンセル機能だけを利用することも可能だ

 折りたたみについてはハウジングが90度回転するだけであり、さほど携帯性については重視されていない。パッケージに付属するキャリングケースもしっかりとしたウレタンを利用したハードタイプであり、気軽にカバンに放り込むというよりも、旅行カバンにしまい込む方が風情としては似合う。

 外装はブラックを基調にシルバーのアクセントを加えたもので、素材は樹脂。樹脂製というと質感がいまいちなケースも多いが、本製品ではシルバーのリングと集音マイク部のメッシュがアクセントになっており、安っぽさは感じられない。しっかりとしたケースと相まって、オーディオ製品としての質感を漂わせている。

photophoto シルバーがほどよいアクセントになっている(左)、乾電池は左ハウジングに収納される。なお電池切れ/電源オフ時でも通常のヘッドフォンとして利用できる(右)

 左ハウジングには電池ボックス(単四形乾電池1本使用)とNCのスイッチ、動作確認用LEDが備えられている。3.5ミリステレオミニジャックも左ハウジング側面だが、ジャック自体はハウジング内側に配置されており、利用時にはプラグが半ばめり込むようになる。乾電池1本で約40時間の利用が可能で、これはオーバーイヤータイプのNC製品としてはトップクラスの電池寿命だ。

 オーバーイヤータイプではイヤーパッドが耳全体をすっぽりと覆うことになるが、このイヤーパッドの感触もなかなか良い。低反発素材を利用したQuiet Comfort3とはまた違った感触なので、内部には一般的なスポンジが入っていると想像するが、シットリとした質感で耳への負担も少ない。同種の素材がヘッドパッドにも利用されている。ただ、これから暖かくなるにつれて汗をかいたときでも快適さが維持されるかは分からない。

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