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リビングのコアになる多機能液晶テレビ“REGZA”「Z3500」(2/6 ページ)

» 2007年10月15日 18時01分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 冒頭でも触れたとおり本製品には液晶テレビ向けのさまざまな高画質技術が投入されている。旧モデルからの変更点などはこちらに詳しいので、ここでは実機を視聴した感想を中心にする。

 評価はプリセットの画質モードを中心としたが、まず基本は鮮やかな白でニュートラルな発色と、同社らしさを感じる画質だ。プリセットの「あざやか」はさすがに店頭効果も狙っているのか輝度が高く、晴れた空などでは若干の白とびを感じるシーンがあったり、SD映像をアップコンバートしたHD放送部分ではノイズっぽさも目立ったりするが、発色に関しては良い意味で派手さはない。

 「標準」では、「あざやか」のアラがぐっと目立たなくなる。「映画」は色温度が若干低くなって人肌に黄味が少し乗り、発色も穏やか目になるが、極端に輝度を落とす方向ではないし、黒潰れも気になるレベルではない。光センサーを有効にしておけば、照明を落としても少し輝度が高めかな? と思う程度だ。「あざやか」はともかく、残る2つのプリセットモードに関しては破綻を感じないし、チューニングの素材としても悪くないだろう。発色に関しては店頭で逆に損をするのではないかと余計な心配をしてしまうのだが。

photo 画質はプリセットは3つ+ユーザー設定。さらにディープな設定が可能な「テレビプロ」と「映画プロ」が準備される

 手持ちのビクター「LT-26LC60」(26インチ、WXGA機)とも比較してみた。画面サイズが異なることもあるが、地上デジタル放送を中心に見る限り、解像度の高そうなハイビジョンの生放送などで見比べても本機がとくに情報量が多いと思うことはなかった。細かい模様の部分などで感じるざわざわっとしたノイズ感は本製品の方が圧倒的に小さく、それでいて情報量が失われている印象はない。ノイズリダクションの違いかダウンスケール不要のメリットかは厳密には解らないし、そもそも製品の世代が違いすぎるのだが、ほぼ等距離から見て“42V型の方がノイズ感が少ない”というのは印象的だ。

 もっともダウンスケールが不要のメリットは確かに大きい。たとえば深夜のショッピング番組では自動的にデータ放送に切り替わることもあるのだが、文字の輪郭のスムーズさがまったく異なり、本機の方がフォーカスもしっかりして見える。さすがに42インチクラスになるとフルHD解像度は必須だな、ということを改めて感じた。この点は本機に限らず大画面テレビ全般にいえるのだが。

 倍速駆動はどうだろうか。動きの多い映像として、野球中継やモトGP中継(SD映像のアップコンバート)などを録画し、「モーションクリア」(倍速駆動)をON/OFFしながら比較してみたが、正直なところ劇的な変化は感じなかった。

photo 倍速駆動は「モーションクリア」でON/OFF可能。実際の映像を確認しながら切り替えることも可能だ

 ただ誰が見ても解るだろうと感じたのは、“お約束”の横に流れるテロップ。とくにハイビジョン収録された「世界の車窓から」の終わり間際に横に流れるテロップでは、「モーションクリア」のON/OFFでテロップのエッジのキレがまったく異なる。一方、野球中継などであまり効果を感じないのは、カメラがパンして画面全体が移動するような動きではフレーム間に差し込む映像の処理が追いつかないのだろう(撮影環境の問題も考えられる)。ただ、倍速駆動がONのままでも不自然さを感じることはないので、常に有効にしておいて問題はなさそうだ。

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