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キーマンが語る「ソニー」の米国市場2008 International CES:本田雅一のリアルタイム・アナリシス (2/2 ページ)

» 2008年01月09日 02時50分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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好調なBDプレーヤー、フォーマット戦争勝利宣言には“慎重”

 一方、Blu-ray Disc(BD)プレーヤーに関しても好調で、12月に出荷した製品はクリスマスの週末には既に売り切れていた。PS3を含めたBDビデオ再生可能な機器は400万台を達成したことになると栗田氏は言う。(なお、別のデータではトータル350万台というデータもあり、細かい数字は異なるかもしれない)

 ホリデーシーズン全体を通し、BDプレーヤーは(PS3を除いても)HD DVDプレーヤーの2倍の数を販売。そのうちの多くはソニー製だった。

 ただし、急峻なカーブで売れ始めた理由のひとつには、価格が299ドルにまで下がったことも大きく影響している。この点について栗田氏は「米国においてHDTVの世帯普及が40%を超え、HDが当たり前になってきた。画質が良いことの素晴らしさを体験すると、購入するタイトルもHDがいいと思うようになる。この流れに乗って、BDプレーヤーが売れた」と話す。ただし、フォーマット戦争は終結したか? との問いには「追い風だとは思うが、確実な話は言えない」と明言を避けた。

 こうした慎重な発言はソニーだけに限ったものではなく、BDの普及を推進している各企業は「これでフォーマット戦争に勝った」という激しい発言ではなく、今後はSDビデオしか知らないユーザー層に対して、HDビデオパッケージの良さを広めていきたいといった方向の発言が多い。

 栗田氏も「我々は粛々とハードウェアを販売して行くのみ。フォーマット戦争に関してはハードウェアというよりも、ソフトウェア販売において市場が決めること」と慎重な見方を示した。

 とはいえ、BDソフトウェアの売上累計は400万本から500万本までの100万本を1カ月以内で達成しており、今後はその流れがさらに強まっていくことが推測される。コンスタントに数100万本以上が売れる市場になれば、映画スタジオもBDソフトを本気で拡販を行わないわけにはいかない。加えて流通側のBDソフトに対する扱いも変化するはずだ。

噂のα最上位機種は……?

 また、デジタル一眼レフカメラ事業に関して、カメラ専門店開拓という、米ソニーが経験してこなかった挑戦に昨年は苦労していた。この点について尋ねたところ、「1機種では専門店に食い込むには限界があったが、その後、α700を投入し、さらに今回のCESでα200を投入。これにより、専門店に入っていく道筋も見えてきている。さらに大きな飛躍を見据え、4月までにはよりよいラインアップを作れる」と話した。

photo CESでお披露目した「α200」

 北米では直近、2月にPMAというカメラショーが予定されている。ここで最上位機種が発表されると言われており、ソニーのラインアップが一通り完成。4月という目処を考えれば、それまでには(噂の最上位機種も)市場に投入されることになるだろう。

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