米Sonyは1月6日(米国時間)、恒例のプレスカンファレンスを開催し、1月から春にかけて北米市場に投入する新製品を紹介した。同社のカンファレンスは毎年CES展示会場の自社ブースを使用して行われるため、展示品の内覧会といったテイストを併せ持つ。今回も一足先に展示物を見ることができた。
カンファレンスでは、有機ELテレビ「XEL-1」やサウンドエンターテインメントプレーヤー「Rolly」、17機種の「BRAVIA」新製品、「α100」の後継となる「DSLR-A200」(α200)、パーソナルコミュニケーター「mylo」の新機種「COM-2」などが次々に紹介された。またBRAVIA向けに米CBSの人気ドラマやニュースをインターネット経由で配信する「CBSインタラクティブ」を提供することなども明らかにされている。
ソニーブースは、テーマによって大きく3つに分かれている。「HD」はBRAVIAとBlu-ray Discレコーダーを軸にハイビジョンの魅力を紹介するエリア。「クリエイティビティ」では、ハンディカム新製品やデジカメを中心として創造的なライフスタイルを提案する。そして「モビリティ」エリアには、ウォークマンやmylo、ロケーションフリーといった製品が並んでいた。
その中で目を引いたのは、参考展示となる近距離無線伝送技術「TransferJet」のデモだ。撮影済みのカムコーダーやデジカメを専用レシーバーに“置く”だけで、撮影した映像や画像がBDレコーダーなどに転送されるというもので、ケーブル接続や設定の手間がない手軽さにくわえ、実効速度で最大375Mbps(理論値は560Mbps)という高速転送も魅力だ。
技術的には、4.48GHz帯を中心に利用するUWBの一種(変調方式などは未公表)といえるが、TransferJetの面白いところはあえて“近距離”伝送に特化した点だろう。本来、無線伝送は離れた場所にある機器と情報をやり取りできるのがメリットだが、同技術では「約3センチまでの距離でしか最大速度が出ないようになっている」(同社情報技術研究所通信研究部の小高健太郎統括部長)。つまり“置く”という動作をトリガーにしてファイル伝送を開始するという、分かりやすい操作のために開発された無線技術といえそうだ。
もちろんTransferJetの用途は撮影した画像の転送だけではない。例えばレコーダーで録画した番組を携帯端末に転送したり、ウォークマンとPCを同期させるといった用途も検討されている。今回は技術発表の段階で標準化などの予定はないが、製品化の見通しについて小高氏は、「2009年に紹介できるようにしたい」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR