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» 2008年02月07日 11時39分 UPDATE

デジモノ家電を読み解くキーワード:「高速連写機能」――デジカメは鳥の羽ばたきもとらえる時代へ

カシオ計算機から、毎秒60枚という超高速連写対応デジカメ「EXILIM PRO EX-F1」が発表された。とにかく連写にこだわって開発されたこの新製品について語る前に、デジタルカメラの連写機能について整理してみよう。

[海上忍,ITmedia]

デジタルカメラの連写機能

photo 民生用デジカメでは世界最速という連写性能を持つ、カシオ計算機「EXILIM PRO EX-F1」

 多くのデジタルカメラには「連写機能」が搭載されている。この機能とは、高速移動する被写体、例えば走る子供やレース中の車、動き回る動物など……を高速に連続撮影することにより、動画の中のワンフレームを切り出すように、静止画として記録する機能だ。

 連写機能の性能は、1秒間あたりに撮影可能な写真の枚数で測定する。明確な表記ルールはないが、「××画像/秒」、「××コマ/秒」と表現することが一般的だ。画質を考慮しなければ、この数値が大きいほどブレが少なく、静止画に近い状態で動く被写体を残すことができることになる。

連写性能はココで決まる

 連写速度はデジタルカメラの性能に左右される。シャッターを切ったあとのデータを解析し、記憶装置に保存するまでの時間は、基本的に搭載されたセンサーやLSIの処理性能によって決定される。

 撮影モードの違いも大きく影響する。撮影モードに自動(オートフォーカス)を適用しているときは、移動する被写体にあわせカメラがピントを追従させようとするので、そのぶん枚数は減少する。一方マニュアルフォーカスの場合は、ピントあわせがないぶん枚数は多くなる。もちろん、シャッタースピードを超えて連写することは物理的に不可能なので、レンズの性能や撮影時の光量も重要だ。

 記憶装置の性能という問題もある。連写機能を備える機種の多くは、内蔵メモリ(バッファ)に一定量のデータを保存してからメモリカードなどの外部記憶装置に転送するため、書き込み性能が低い外部記憶装置は不向きということになる。

ハチドリの羽の動きも撮影できる!

 カシオ「EX-F1」最大の特徴は、その連写機能にある。従来の民生用デジタルカメラでいえば、動画撮影時を除き10〜15画像/秒あたりが限界だったが、EX-F1は最大60画像/秒で600万画素の写真を撮影できる。この数字は、ハチドリの羽ばたき(秒間50回以上)を上回るもので、野球のバッティングやサッカーのシュートなど動きの激しいスポーツシーンにも余裕で対応できる水準だ。

 加えて動画撮影モード時には、最大1200fps(336×96ピクセル)という超高速撮影も可能だ。600fps(432×192)と300fps(512×384)の動画のほか、1920×1080/60fpsのハイビジョン動画も撮影できる。

 ほかにも、シャッターを押す前の画像を最大60枚撮影できる「パスト連写」、バッファメモリーに蓄積した超高速撮影データをスロー再生しながら決定的瞬間をキャッチする「スローライブ」など、連写にこだわった機能が満載。デジタルカメラの使い方を変える可能性を秘めたこのEX-F1、3月下旬の発売が予定されている。

執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)

ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。


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