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» 2009年06月04日 17時52分 UPDATE

デジモノ家電を読み解くキーワード:「防水」――夏到来直前だからこそチェックしたい、デジモノ注目性能

夏商戦に向けて発表されたデジモノにおいて、「防水」は注目度の高いキーワードの1つ。しかし、一口に防水といえどレベルはさまざま、水滴程度から水中でも使用可なものまで範囲は広い。今回は、その防水に関する定義と規格について解説しよう。

[海上忍,ITmedia]

防水に関する標準規格

photo ソーラー充電に対応した防水ケータイ「SOLAR HYBRID 936SH」。防水性能はIPX5/IPX7相当

 「防水」という言葉には、水がしみこむことを防ぐという意味がある。工業製品を指していう場合には、製品内部に水分が入らない仕様、そこから転じて水滴を浴びたり水中に落としたりしても機能に影響しない、耐水性能に近い意味合いでも使用される。

 しかし、数粒の水滴を浴びることと、水深20メートルの海中で長時間使用することでは、天と地ほどの開きがあり、一口に「防水」性能とは呼べない。そこで定められたのが、防水に関する標準規格。日本工業規格(JIS)が「水の浸入に対する保護等級(通称「JIS防水保護等級」)として、0〜8級までの9段階を定めている。

 国際レベルでは、国際電気標準会議(IEC)が防水の統一規格を定めている。分類の基準はJIS防水保護等級とほぼ同じことから、現在日本の工業製品で防水性能をうたうときには、両規格を併記することが一般的となっている。例えば、JIS保護等級4(防沫型)をIEC規格でいうとIPX4となるため「JIS IPX4」、といった具合だ。

あいまいな用語はここで見分ける

photo 水深10メートルまでの防水性能(IPX8相当)と砂ボコリなどに対する防じん性能(IP6X相当)を備えるデジタルカメラ「μTOUGH-8000」

 IECでは、チリやホコリへの耐久性を示す「防じん」についても等級を定めている。等級は「0」(無保護)から完全防じんの「6」まで7段階あり、前述した防水性能とともに使用されることが多い。表記は「IP」の直後で、例えば「IP68」と表記されていれば、防じん性能が第6レベル、防水性能が第8レベルということが分かる。ちなみに、「IPX4」と表記されているときは、防じん性能のテストについては未検証(言及なし)という意味だ。

 なお、日本では「生活防水」や「完全防水」という言葉が使われることも多い。これらはJIS/IECで定められた標準規格と直接関係ないが、およその目安として、生活防水は4級(JIS IPX4)未満、完全防水は5級(JIS IPX5)以上と考えて差し支えない。厳密な区分とはならないが、等級の表示がない場合の参考にはなるだろう。

JISとIECの防水規格
0 無保護 IPX0 特に保護なし
1 防滴I型 IPX1 鉛直に落下する水滴から保護される
2 防滴II型 IPX2 15度以内で傾斜させても、鉛直に落下する水滴から保護される
3 防雨型 IPX3 鉛直から60度の範囲で落下する水滴から保護される
4 防沫型 IPX4 あらゆる方向から水の飛沫を受けても有害な影響はない
5 防噴流型 IPX5 あらゆる方向から噴流水を受けても有害な影響はない
6 耐水型 IPX6 あらゆる方向から強い噴流水を受けても有害な影響はない
7 防浸型 IPX7 約30分1m程度の深さに水没させても有害な影響はない
8 水中型 IPX8 継続して水中で使用(潜水)しても有害な影響はない

執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)

ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。


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