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» 2010年12月09日 18時22分 UPDATE

デジモノ家電を読み解くキーワード:本格普及なるか、デジモノ家電の共通語「DLNA」

デジモノ家電が増えるにつれ膨らむ悩みが、機器間におけるコンテンツの共有。それをキレイに解決すべく制定された規格が「DLNA」だ。今回は、DLNAの概要と今後の方向性について解説してみよう。

[海上忍,ITmedia]

DLNAとは?

ts_dlna01.jpg 認証プログラムに合格した製品に与えられるDLNAロゴ

 DLNA(Digital Living Network Alliance)は、デジモノ家電やコンピューターなど異機種間の相互接続を目的に、2003年に設立された業界団体。そこで策定された相互接続のためのガイドラインもDLNAと呼ばれ、機器に対する認証プログラムが用意されている。かんたんに言えば、DLNAとは「ネットワークで接続してコンテンツを共有できるデジタル機器の標準規格」だ。

 これまでDLNAロゴが付与された製品は、テレビやレコーダー、パソコンやプリンターなど多岐にわたる。そしてDLNAには「デバイスクラス」という概念があり、そのデバイスクラスごとに与えられた役割にもとづき、ネットワーク全体で機能を発揮する。例えば、録画したテレビ番組を蓄積するHDDレコーダーは「デジタルメディアサーバ」(DMS)、そこからコンテンツを呼び出し再生する表示装置が「デジタルメディアプレーヤー」(DMP)となる。DMSやDMPなど基本的なデバイスカテゴリーは、2004年公開の「DLNA 1.0」で規定されている。

 DLNAは、技術の進化と製品動向に応じて規格が見直されている。その結果は主にデバイスクラスの追加という形で現れ、2006年公開の「DLNA 1.5」では、サーバとクライアントをリモートコントロールする機能「デジタルメディアコントローラー」(DMC)や、リモートコントロールされて再生するだけの機能「デジタルメディアレンダラー」(DMR)が追加された。また、モバイル機器のサポート強化もDLNA 1.5の特長であり、モバイル機器向けのサーバ機能(DMS)やモバイル機器向けファイルダウンロード機能(M-DMD)が加えられている。

 DLNAロゴを取得したデジモノ家電も増えている。2009年末の時点で、DLNA 1.0および1.5のロゴを取得した機器は5500を超えるとされ、今後も順調に増加する見込みだ。

現行のDLNA 1.5で規定されるデバイスクラス

カテゴリー名 略称 おもなターゲット
デジタルメディアサーバ DMS HDDレコーダなどコンテンツを蓄積する機器
デジタルメディアプレーヤー DMP テレビやステレオなどの再生機器
デジタルメディアレンダラー DMR DMSから送信されたデータを再生する機器
デジタルメディアコントローラー DMC DMSのコンテンツを検索し、DMRに送信する機器
デジタルメディアプリンター DMPr フォトプリンターなどの印刷機器
モバイルデジタルメディアサーバー M-DMS ワイヤレスに対応したコンテンツを蓄積する機器
モバイルデジタルメディアプレーヤー M-DMP ワイヤレスに対応した携帯電話などの再生機器
モバイルデジタルメディアアップローダー M-DMU DMSまたはM-DMSへ送信する機能を持つデジタルカメラなどの機器
モバイルデジタルメディアダウンローダー M-DMD DMSまたはM-DMSからコンテンツを取得する機能を持つオーディオプレーヤーなどの機器
モバイルデジタルメディアコントローラ M-DMC DMSまたはM-DMSのコンテンツを検索し、DMRに伝える機能を持つ携帯電話などの機器

もうすぐ登場? 「DLNA 2.0」

 近々のリリースが予定されている次世代規格「DLNA 2.0」では、特にモバイル機器のサポートが強化されている。例えば、テレビチューナーを内蔵する機器での録画予約を携帯電話で行ったり、サーバと携帯電話との間でコンテンツを同期したり、といった使い方ができるようになる。高速無線LAN規格IEEE 802.11nのほか、米国で普及している同軸ケーブルを利用したホームネットワーク規格「MoCA」もサポートされる予定だ。

 製品化(実装)段階の差から機器間に非互換性が生じることもあるなど、課題がいくつか残るものの、時代のニーズに応じつつ進化する「DLNA」。次世代規格の登場で、普及に弾みがつく可能性は高い。

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