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明るい3Dにワイヤレス! エプソン「EH-TW8000W」を試す(3/3 ページ)

» 2011年12月20日 19時25分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 一方、動画性能は透過型液晶パネルとしてはかなり健闘している印象を持った。フレーム補完は、オンとオフの差がはっきりとしている傾向があるものの、カメラのパーンぼけなどはずいぶん低減され、かなり見やすい映像となった。サッカーやアイススケートなど、カメラの移動が大きいスポーツ系の映像も、気にせず楽しめるだろう。

 EH-TW8000Wで感心したのは、その調整項目の多彩さと扱いやすさだ。色温度の調整に始まり、R(赤)G(緑)B(青)C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)6軸の色相/彩度/明度調整、RGBのオフセット/ゲイン調整、ガンマカーブのカスタム、肌色調整など、詳細なメニューが用意されているので、設置している部屋にピッタリの、かつ自分好みの映像を細やかに作り込むことができる。また、いままではなかった画素ズレが調整できるようになったこともありがたい。

ガンマカーブのカスタム、肌色調整など、詳細なメニューが用意されている(左)。リモコンはシンプル(右)

 また焦点距離が短く設置範囲も広いことも、EH-TW8000Wならではのメリットとなっている。80インチの最短投写距離が約2.4メートル、100インチでも約3メートルであるため、6畳間でも100インチスクリーンの設置が十分に可能だ。

Wireless HDで設置はラクラク

 使い勝手の面でEH-TW8000W最大のトピックといえるのが、Wireless HDだろう。同梱(どうこん)されているユニット(トランスミッター)にプレーヤーもしくはAVアンプからのHDMIケーブルを接続、簡単な認証操作をするだけで、無線による映像伝送が活用できるようになる。

“W”型番のモデルに付属するWireless HDのトランスミッター。これにBDプレーヤーなどをHDMI接続する(左)。Wireless HDの設定画面。といってもオン/オフだけ(右)

 これが、とてつもなく便利。わが「ミニマムシアター」はHDMIケーブルを長引きしないで済むよう、AVアンプやプレーヤーを視聴位置の背面に置くイレギュラーなレイアウトにしているため、その恩恵は少なかったものの、テレビ周りにAV機器を置き、時々スクリーンをおろしてプロジェクターで見る一般的なレイアウトの場合、10メートル、15メートルというかなりの長さと、どこに配線して、いかに隠すか? という大きな悩みを生じさせる。そのケーブルが「必要ない」のだ。ケーブルものものだけでなく配線にまつわるコストはもちろん、導入の手軽さという点において、これほどプロジェクターに適したシステムはない。

 また、ワイヤレス伝送時でも映像の品位に遜色を感じることはほとんどなかった点もうれしい。今後はこういった無線方式を用意していることが、プロジェクターにとっての必須条件となるかもしれない。少なくとも、EH-TW8000Wの魅力が格段に高まっているのは確かだ。

 このようにEH-TW8000Wは、明るくクロストークのない3Dや細やかなカスタムが可能な2Dなど映像的な魅力に加え、ワイヤレス接続など使い勝手/設置性においても大いにアドバンテージを持つ製品だと感じた。プロジェクターの大画面を楽しみたいけれど、設置の問題で迷っている人に適した機種といえるだろう。

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