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ハイレゾ音源からWOWOWまで、ヤマハの高級AVセンター「RX-A3020」を徹底活用山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/3 ページ)

» 2012年11月15日 17時30分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 11月上旬、独自の音場創成技術「シネマDSP HD3(エイチディ・キュービック)」を搭載したヤマハの高級AVセンター「RX-A3020」を自室でじっくりハンドリングする機会を得た。昨年来、同社はAVセンターの高級ラインを“AVENTAGE”(アベンタージュ)と命名しているが、RX-A3020は今シーズンのAVENTAGEトップエンド・モデルとなる。

ヤマハの“AVENTAGE”(アベンタージュ)「RX-A3020」が山本邸のシアタールームに到着。「RX-A3020」はオープン価格(実売想定価格は28万3500円)で販売中

 昨今の高級AVセンターの多機能性とその音質向上ぶりには驚くばかりで、RX-A3020もその例に漏れない。ドルビーTrueHDやDTS HD Master Audioなどの高音質ロスレスHDオーディオのデコードはもちろんのこと、歴代のシネマDSPの中でも最も上質な響きを生み出すシネマDSP HD3タイプが搭載され、フロントプレゼンススピーカーとメインのL/Rスピーカー、そしてサラウンドスピーカーそれぞれに反射音データを加えて半球状に「響き成分のステレオフォニック」を形成することで、他社製品はもちろんのこと、下位モデルでは味わうことのできないダイナミックで洗練された音場拡大効果が楽しめるのである。加えてDLNA1.5を用いたネットワークオーディオ再生機能を搭載、96kHz/24bitまでのレゾリューションを有するWAV/FLACファイルの再生が可能だ。

 筐体(きょうたい)内部をのぞくと、前方中央に大型EIトランスを抱いた電源部、その両脇にLch系とRch系を振り分けたパワーアンプブロックを配置するという合理的なコンストラクションが採られているのが分かる。パワーアンプは150ワット(6オーム)出力の9ch構成だ。

前方中央に大型EIトランスを抱いた電源部、その両脇にパワーアンプブロックを配置している(左)。背面端子(右)

 さっそくわが家に届いたRX-A3020を専用ラックにセットアップ、8系統あるHDMI入力のうちいちばん音がよいとされる「HDMI6」に米OPPOのBlu-ray Discプレーヤー「BDP-95」の音声専用HDMI出力をつなぎ、注意深くスピーカーの結線を済ませた。ちなみにわが家のシステムはセンタースピーカーレスで、サラウンドバックスピーカーとフロントプレゼンススピーカーを設置した8.1chスピーカー構成。RX-A3020のフロントプリ出力をオーディオ用に愛用しているプリアンプ(オクターブ、Jubilee Pre)につなぎ、そのバイパス・ポジションを用いてパワーアンプ(オクターブ、MRE130)でL/R用のJBL「K2 S9900」を駆動するというスタイルだ。

山本邸のシアタールームは、フロントにJBLの「K2 S9900」を使用した8.1chスピーカー構成

付属マイクが新しくなり、精度がアップ。せっかくなので置き台を使って測定場所もしっかりと固定

 結線後、付属マイクを三角ブーメラン形状の専用置き台に載せ、視聴ポジションに三脚を立て、同社独自の自動音場補正機能の最新版「YPAO R.S.C」をはたらかせて、各チャンネルのスピーカーの距離・レベル補正等を行なった。YPAO R.S.Cは、視聴ポイントから見た各スピーカーの位置関係を把握して、その結果を音場調整に反映させる「スピーカー角度計測」を含むYPAOの最新フルバージョン。最大8ポイントでの計測が可能で、その結果を加算平均することでより精度の高い音場補正が可能となるが、今回はリスニングポイント1点での計測にとどめた。測定後、各チャンネルの周波数特性を最適化するPEQ(パラメトリック・イコライザー)のオン/オフも試してみたが、その印象については後述しよう。

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