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ハイレゾ音源再生に対応したICレコーダー、ソニー「ICD-SX1000」登場

» 2013年01月28日 14時30分 公開
[ITmedia]

 ソニーは1月28日、ICレコーダーの新製品として最大96kHz/24bitのリニアPCM録音に加え、192kHz/24bitまでのハイレゾ音源再生に対応した「ICD-SX1000」など2機種を発表した。2月21日にオープン価格で発売する。

「ICD-SX1000」(左)は、ブラックとレッドの2カラー。実売想定価格は2万7000円前後。「ICD-SX734」(右)はシルバーのみ。実売想定価格は2万円前後

 ソニーのミドルレンジモデル「SXシリーズ」新製品。約4センチ(幅)×11センチ(高さ)のスリムなボディーに、スライド式のUSB端子を搭載。ケーブルいらずで音楽ファイルや録音データを転送できる。録音形式はMP3もしくはリニアPCM。ICD-SX1000では、最大96kHz/24bitのリニアPCM録音に対応する(ICD-SX734は44.1kHz/16bitまで)。

 両モデルとも本体上部に指向性マイクのみで構成された3マイクシステム「Sマイク・システム」を搭載。特定の発言者の声をクリアに録音するには中央のズームマイク、会議や演奏会の録音には両サイドのステレオマイクを用いて広がりのある音を録音できるという。「いずれもマイクもかなり強い指向性を持つ。外装に小さな穴がたくさん空いているのは、録音時の空気の振動を考慮した通気口。マイクの指向性を緻密(ちみつ)に計算して位置やサイズを決めた」(同社)。

「ICD-SX1000」

 録音用のA/Dコンバーターはデュアル構成。入力レベルを参照してDSPがA/Dコンバーターを自動的に切り替え、最適な方を利用することでダイナミックレンジを広げる仕組み。「A/Dコンバーターが1つの場合に比べ、最大入力が約10dBアップする。S/N比も約10dB向上するため、トータルで約20dBとなる」(同社)。例えばささやくような声もノイズにかき消されることなく録音できるほか、ごう音のような大きな音もひずみにくいという。

 「おまかせボイス」は、録音時にミスしやすい「マイク感度」を自動的に最適地に設定してくれる機能。入力信号から人の声を判別し、その音圧からレベルを調整を行うため、例えば雑音の多い場所でも影響を受けにくい。

 このほか、会議やボイスメモといったシチュエーションに応じて内蔵マイクの周波数特性を最適化するMFO(Microphone frequency Optimizer)、録音のじゃまになるエアコンやプロジェクターのファンノイズを低減するローカットフィルター、リニアPCMとMP3のファイルを同時に作成する「デュアルレコーディング」など録音関連の機能は充実。「デュアルレコーディングを使えば、マスターとして残すリニアPCMと配布用のmP3を手軽に作成できる。配布用に再エンコードする必要がない」(同社)。

 内蔵メモリは16Gバイト(ICD-SX734は8Gバイト)。ほかにmicroSD/SDHCカードスロットを備え、録音の途中で容量が足りなくなった場合にはもう一方のメモリに切り替えて録音を継続できる。

音楽配信サイトの音源も再生可

 再生機能では、やはりICD-SX1000のハイレゾ音源再生が目玉となる。これは、「既存のSXシリーズユーザーは、約4割がプレーヤーとしても利用している」(同社)ことから企画したもの。リニアPCMレコーダーで録音したファイルはもちろん、「e-onkyo music」や「OTOTOY」といった音楽配信サイトで購入した楽曲も再生できる(WAVのみ、FLACは不可)。ソニー独自のフルデジタルアンプ「S-Master」により、音のひずみや劣化を抑えて音楽を楽しめる。なお、ICD-SX734のリニアPCM再生は最大44.1kHz/16bitまでとなり、S-Masterも搭載していない。

 このほか、日時で録音ファイルを検索できる「カレンダーサーチ」、10秒早送りや3秒早戻しが可能な「書き起こし再生モード」、音程をかえずに再生スピーカー度変更できる「デジタルピッチコントロール」など、ICレコーダーならではの再生機能も網羅した。

「ICD-SX1000」付属のイヤフォンとウィンドスクリーン

製品名 ICD-SX1000 ICD-SX734
内蔵メモリ 16Gバイト 8Gバイト
メモリーカードスロット メモリースティック マイクロ/microSD/microSDHC
録音フォーマット 最大96kHz/24bitのリニアPCM、MP3 最大44.1kHz/16bitまでのリニアPCM、MP3
再生フォーマット 最大192kHz/24bitのリニアPCM、MP3、WMA、AAC(著作権保護されたファイルは再生不可) 最大44.1kHz/16bitのリニアPCM、MP3、WMA、AAC(著作権保護されたファイルは再生不可)
S-Master なし
本体サイズ(幅×高さ×奥行き) 約39.6×110.8×14.6ミリ 約39.6×108.6×14.9ミリ
重量 約82グラム 約81グラム
付属品 PCソフト「Sound Organizer」、ステレオヘッドフォン、USB接続補助ケーブル、キャリングケース、スタンド、ウィンドスクリーン PCソフト「Sound Organizer」、ステレオヘッドフォン、USB接続補助ケーブル、キャリングケース、スタンド
発売日 2月21日
実売想定価格 2万7000円前後 2万円前後

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CDの音質を超えるリニアPCM録音と192kHz/24bitハイレゾ音源再生。原音に迫るステレオICレコーダー


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