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「2013年はスマート視聴元年」、DTCP+リモートアクセスを推進するDLPAiOS版プレーヤーソフトも“近日”(1/2 ページ)

» 2013年06月10日 18時43分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 一般社団法人デジタルライフ推進協会(Digital Life Promotion Association:DLPA)が都内で記者会見を開き、1月に発表した「DLPAリモートアクセス運用ガイドライン」を改めて説明した。また「ロケーションフリーTV」の開発者として知られる元ソニーの前田悟氏も登壇し、“プレイスシフト”の有用性を訴えた。

DLPAの細野昭雄代表理事(左)と活動内容(右)

 DLPAは、2010年にバッファローやアイ・オー・データ機器、デジオンが中心となって設立した業界団体だ。USB外付けHDDに録画できる薄型テレビが普及し始めた時期に、PC周辺機器メーカーが家電ジャンルへの参入を目指して設立したもの。会見であいさつに立ったDLPAの細野昭雄代表理事(アイ・オー・データ機器社長)は、「“新参者”が課題解決のために集まった」と当時を振り返る。

 DLPAはその後、テレビにひも付けられたUSB外付けHDDの録画データ救済サービスや、AV用途のNAS普及に向けた「DLPA NASガイドライン」策定およびロゴマークの運用といった活動を展開。今年1月には、DTCP-IP 1.4(DTCP+)を活用するリモートアクセスに関するガイドラインを発表した。

 同ガイドラインは、外出先から自宅のNASにアクセスし、録画番組などを視聴するための共通仕様だ。セキュリティ確保やメーカー間の相互運用性確保に関する仕様をまとめたもので、このロゴマークのある製品を用いれば、メーカーを問わずにリモートアクセスが利用できるのが特長となる。一方でDTCP+に対しては著作権者から反発の声もあるが、細野氏は「一方的に著作権者の権利だけが守られている状況では、次のビジネスにつならない」と指摘。「録画機による“タイムシフト”に加え、リモートアクセスの“プレイスシフト”の環境が整った。2013年はスマート視聴元年になる」とした。

「2013年はスマート視聴元年」

 続いて壇上に上がったのは、“プレイスシフト”の先駆け「ロケーションフリーTV」の開発者として知られる前田悟氏だ。ロケーションフリーTVは、アナログ入力の映像をインターネット経由でPCや「PSP」に配信できる機器。2004年にソニーが発売し、海外出張の多いビジネスマンを中心に人気を博した。

元ソニーの前田氏(左)。2000年に発売したワイヤレステレビ「エアボード」開発時のプレゼン資料(中)。当時の裏話を交えながらプレイスシフトの有用性を訴える一方、普及に向けた課題も示した(右)

 すでにソニーを離れ、エムジェイアイの代表として製品企画や経営コンサルティングに携わる前田氏だが、「今日は“ロケフリの前田”として来た」とあいさつ。ロケーションフリーTV開発中、1976年のベータマックス訴訟を引き合いに出して当時の出井伸之社長を説得したエピソードを披露した。「ベータマックス訴訟では、複製権の侵害を訴えたUniversal Studioに対し、ソニーは最高裁まで争って勝訴した。これが録画機による“タイムシフト”の誕生。ロケフリは、同様にユーザーの“プレイスシフト”を提供するものだ」(前田氏)。

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