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» 2013年09月27日 15時31分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」:息をのむ立体音響、ヤマハ「CX-A5000/MX-A5000」で「オズ はじまりの戦い」を観た (1/2)

ヤマハからこの秋、なんと22年ぶりとなるセパレート型のAVアンプ「CX-A5000/MX-A5000」が登場する。その試作機の音を聴く機会があったので、インプレッションをいち早くお伝えしよう。

[山本浩司,ITmedia]

 ヤマハからこの秋、なんと22年ぶりとなるセパレート型のAVアンプ「CX-A5000/MX-A5000」が登場する(10月上旬発売)。その試作機の音を聴く機会があったので、ここでは本機の概要とその音質インプレッションをいち早くお伝えしようと思う。

ts_areyamha01.jpgts_areyamha02.jpg ヤマハのセパレート型AVアンプ「CX-A5000」(左)と「MX-A5000」(右)

 サラウンドシステムにプレゼンス用スピーカーを加えて再生空間のひびきを多音場処理し、映画を観るにふさわしい音を演出するシネマDSP。1990年発表の「AVX-2000DSP」以来、ヤマハはその可能性を23年間の長きに渡って追求してきたが、AVコントロールアンプの「CX-A5000」は、2007年に登場した「DSP-Z11」に次ぐ「シネマDSP HD3(キュービック)」のフルプログラムを搭載した、11.2ch再生可能な2013年版集大成モデルだ。またセパレート・タイプの発売は、先述の通り1991年の「AVC-3000DSP/AVM-3000」以来22年ぶりで、製品の位置づけとしては、2013年版ヤマハAVアンプの高級ラインAVENTAGEシリーズのトップエンド・モデルとなる。

 シネマDSP HD 3は、フロント/リアプレゼンス用スピーカーを加えた最大11.2ch構成で展開するサラウンドサウンド再生法(プレゼンスchはバーチャル再生も可能。0.2chはLFEchが2系統出力されるという意味)。下位モデルに搭載される「シネマDSP 3D」に比べて2倍以上の反射音再現能力とよりワイドレンジな周波数特性を持っており、音場の高さ方向をイメージさせる空間情報の完全再現を目指すヤマハ流3次元立体音場再現手法の最高峰メソッドだ。

ts_cxmx20.jpgts_areyamha03.jpg 「CX-A5000」と背面端子

 CX-A5000の筐体ベースは、先に発売された「RX-A3030」。音質に定評のあるESSテクノロジー製192kHz/32bitタイプの8ch仕様DACチップ「ES9016」が2基搭載され、13ch(2系統のLFEchを含む)分のアナログ音声信号をこの2基のチップでD/A変換する。もう1つの注目ポイントが、全チャンネルの出力端子にノイトリック製の高級XLRバランス出力端子を用意していること。「MX-A5000」との組合せで、外来ノイズの影響を受けにくいバランス伝送が可能となる。

ts_areyamha13.jpgts_areyamha14.jpg 「MX-A5000」とはバランス伝送が可能。全チャンネルの出力端子にノイトリック製の高級XLRバランス出力端子を採用している

 搭載される自動音場補正機能は、RX-A3030などにも搭載されている最新版の「Y.P.A.O-RSC」。複数ポイントでの測定やスピーカーの角度計測が可能で、精度の高い音場補正が実現できるのが第一の注目ポイント。2つ目の注目点として挙げたいのが内蔵パラメトリックイコライザー(PEQ)の使用法で、ターゲットカーブ「フラット」を選ぶと、定在波の悪影響などで生じる部屋の不要な反射音を抑えることができ、それによってより明瞭なシネマDSP効果が得られる。

 しかも、ほとんどのAVアンプはフラットにイコライジングすると、音がハイ上がりに聴こえる上に再生音量レベルが下がって冴えない音になりがちなのだが、本機のPEQは違う。どんなに大胆なイコライジングを行なっても音量レベルは一定で、音の生気が失われないのである。このへんのきめ細かい音質ケアに、長年音場補正に取り組んできたヤマハ製品ならではの魅力があるように思う。

 本機は先に発売されたRX-A3030同様、DLNA1.5に準拠したネットワークレシーバー機能を搭載しており、192kHz/24bitまでのWAV/FLACのミュージックファイル再生が可能。またiTunesライブラリーに保存された音源をストリーミング再生できるAirPlayはもちろん、Android端末からのワイヤレス音楽再生も可能だ。また、iPadやiPhone、Android端末を使って本機の操作ができる専用アプリ「AV CONTROLLER」が用意されている。実際にこのアプリをインストールしたiPadで操作してみたが、グラフィック画面がとても美しいうえに反応がクイックで、快適に操作することができた。

ts_cxmx21.jpgts_areyamha04.jpg 「MX-A5000」と背面端子

 11ch構成パワーアンプの「MX-A5000」の筐体は、2007年の「DSP-Z11」がベースとなっている。シャーシ前方中央に大型のトロイダルトランスが配置され、大容量のブロックケミコンを搭載、制御用電源をオーディオ用のそれと分離してローノイズ化を徹底している。出力段のインピーダンスを下げられる3段ダーリントン接続の電流帰還型回路を採用、ワイドレンジで力感のある音を目指したという。出力は定格で230ワット/ch。CX-A5000同様11ch分のノイトリック製の高級XLRバランス入力端子を装備し、スピーカー出力端子にYラグにもバナナ端子にも対応する真鍮削り出しの金メッキ・スクリュー式ターミナルが採用されている。

 実際に11.2ch再生にいきなりチャレンジする方は少ないと思われるが、本機は5ch分のスピーカーをすべてバイアンプ駆動したり、使用しないチャンネルのパワーアンプで他の部屋に置いたスピーカーを鳴らしマルチゾーン接続も可能になっている。

 なお、CX-A5000/MX-A5000 ともにまずブラック仕上げが10月に発売されるが、12月中旬には1990年代に一世を風靡したヤマハ伝統のチタンカラー・バージョンも登場するという。

ts_cxmx030.jpgts_cxmx031.jpg チタンカラー・バージョン

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