NTTぷららは4月7日動画配信サービス「ひかりTV」の事業戦略説明会で、10月から4K VOD(ビデオ・オン・デマンド)の商用サービスを開始する方針を明らかにした。それに先立ち、4月8日から4K VODのトライアルを実施する。
トライアルは一般家庭を対象としたものではなく、NTTグループの関連施設や量販店店頭に設置する4Kテレビで公開するスタイルになる。コンテンツは自主制作による「下町ボブスレー」などのほか、NHKエンタープライズ制作の5作品を加えた10タイトルを用意。映像はMPEG-4 AVCの倍の圧縮率を持つHEVC/H.265で符号化され、フレッツ光ネクスト網を通じて各拠点に配信する。
映像の解像度は3840×2160ピクセルで、フレームレートは毎秒24/30/60フレームの3種。60フレームの場合で映像は25Mbps、音声が256kbps前後となり、オーバーヘッドを含めた通信速度は最大30Mbps前後になるという。これは10月の開始を目指す商用サービスを視野に入れた数字だ。「現在、地デジの再送信は1ストリームで15Mbps前後となっているが、1番組を視聴しながら別の番組を録画することが問題なくできている。30MbpsならNTTのフレッツ回線(フレッツ光ネクスト)で対応できる」(同社)という。
あいさつに立ったNHKエンタープライズの今井環社長は、「4K撮影には6年前から取り組んでいるが、ピントが取りにくい、データ多いので編集に時間かかるなど従来との違いも多く、徐々にノウハウを蓄積して乗り切った」と話した一方、一般家庭の4Kテレビを対象とする商用サービスについて板東社長は「カタチは検討中」と前置きしつつ、その見通しを示した。まずコンテンツ調達については、「米国でNetFlixやamazonがハリウッドの映画スタジオから調達すると聞いている。それにNTTエンタープライズの提供作品や自主制作を含め、100本以上は集めたい」という。また視聴環境では、テレビメーカーと協力してHEVCデコーダーとSTB機能を内蔵した4Kテレビの発売を進めるほか、すでに4Kテレビを所有している人に向けてHDMI 2.0対応の専用STBも提供することも検討中だ。「STBは難しいところもあるが、実際に提供する場合はレンタルと“売り切り”の両方を用意したい」(板東氏)。
また、同社では4K対応のIP放送トライアルも6月から実施する予定だ。商用サービスについても「2014年中にやりたいと考えている」としているが、放送となれば24時間4Kコンテンツを流すことになり、コンテンツ調達が課題になる。「商用サービスは、4Kマーケットの立ち上がりを見ながら時期を見極めたい。まずは4Kマーケット立ち上げに貢献することが最優先と考えている」(板東氏)。

発表会場には、NTTメディアインテリジェンス研究所の技術を用いた「4Kフォーカス機能」が参考展示された。手元のタブレットで見たい場所を指定すると、切り出された映像がテレビ画面に表示される、高解像度を生かしたサービスだ。ただし、ひかりTVで採用するかは未定だという※このほか、全国の大手量販店(7カ所)に順次展開を予定
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