ダイソンは4月9日、新しい製品ラインとしてハンドドライヤー“Dyson Airblade hand dryer”(エアブレード)3機種を発表した。発表会のために来日したジェームズ・ダイソン氏は、「125人のエンジニアチームによる3年にわたる研究開発と4000万ポンド(約68億円)の投資による成果」として、日本市場では初のB to B商品となるエアブレードを紹介した。
3機種に共通する特長は、同社製ブラシレスDCモーター「DDM(Dyson Digital Motor)V4」が生み出す時速690キロメートルという強力な風だ。その強力な力で空気を押し出し、「HEPAフィルター」を通すことにより、最小0.1マイクロメートルのバクテリアを99.9%除去するという。「HEPAフィルターを使えるのはダイソンだけ。エアブレードが出す空気は、われわれがトイレで吸っている空気より衛生的だ」(アレックス・ノックス氏)。
また静音化にも力を入れた。エアブレードでは、先に登場した扇風機「Dyson Cool」と同様、ヘルムホルツ式空洞を用いてモーター音を低減する。ヘルムホルツ式空洞は、騒音に対して“共鳴”を起こす空洞を設け、その固有振動数と同じ周波数の音が入ったとき、孔部分の粘性摩擦により生じた逆位相の音波が音を相殺する仕組み。1つの空洞は特定の周波数にしか効果はないが、エアブレードTapとdBでは7つ組み合わせることでモーター音やインペラー(羽根)の回転で生じる高調波とノイズを抑えている。
国内で販売されるエアブレードは3タイプ。このうち「エアブレード Tap」(タップ)は、洗面台の蛇口を兼用したユニークなスタイルとした。赤外線センサーが手の位置を検知して水を出すところまでは普通だが、洗い終えた後で手を製品の前に近づけるとデジタルモーターV4が作動し、2本の細いパイプから空気が高速で吹き出す。吹き出し口の幅はわずか0.8ミリ。高圧の空気が水滴を「かき落とす」仕組みだ。乾燥にかかる時間は12秒ほどだという。
2つめは「エアブレードV」(ブイ)。115度の角度でV字状になった吹き出し口を持ち、2つの空気で両手の水滴を約10秒間で吹き飛ばす。薄型設計も特長で、初期のエアブレードに比べ60%の小型化を実現したという。
「エアブレード dB」(ディービー)は、最もスタンダードな上から手を入れるタイプ。HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)の認証を取得している唯一のハンドドライヤーでもある。「見た目は他社製品と似ているが、出願中のものを含め295件の特許技術が入っている」という。
ダイソンでは、サラヤ株式会社を正規代理店とし、販売とサポートの体制を構築し、同日から注文を受け付けている。「エアブレードは、ペーパータオル1枚分(0.4円)のコストで6人の手を乾かすことができる。そして利便性でも衛生面でも非常に効率的。実現したのはダイソンデジタルモーターだ」(同社)。
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