少々古いデータだが、掃除機の平均使用年数は7.4年だという(2005年 内閣府まとめ リンク先PDF)。ちなみに買い換えの理由のトップは「故障」で87.6%、以下に上位品に買い換え(7.7%)、住所変更(0.6%)と続いている。
データの示すとおり、掃除機はそう頻繁に買い換えるものではないという製品の性質上、頻繁に新製品の情報をチェックすることはない。ただ、買い換えや追加を検討するとなると、「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」というTVCMが印象的なダイソン製品が気になったひともいるはずだ。
そのダイソンが、3月末にボディの小型化と動作音の低減を図り、日本市場を強く意識したというキャニスター型掃除機「DC48」を発表した。購入から9年目に突入した掃除機を使っている我が家にて、DC48を試用した感想をお伝えしたい。
ダイソン製掃除機といえば、吸い込んだゴミを遠心分離するいわゆるサイクロン式に分類される製品。特徴は「Radial Root Cyclone テクノロジー」と呼ばれる気流効率の落ちにくい構造を採用していることで、これにより吸引力の衰えを防いでいる。この構造は既存「DC36」などにも採用されているものだが、新製品のDC48ではパワーは従来品と同等ながら大きさを1/3まで小さくした新型モーター「V4」の搭載によってボディサイズを従来比で30%小型化している。
そのDC48にはヘッド違いで2モデルが用意されており、今回試用したのは、空気の力でカーボンファイバーブラシを回転させる「タービンヘッド」モデル。DC48はこのほかにもモーターの力でヘッドブラシを駆動する「モーターヘッド」モデルも用意されており、本体カラーはヘッドによって異なる。タービンヘッドモデルはブルーとイエロー、モーターヘッドモデルはフーシャ(赤紫に近いレッド)とパープルの2色が用意されている。
パッケージを開けるとポリカーボネート素材のクリアビンに覆われたブルーのサイクロンと、「ボールテクノロジー」を採用した球形車輪を備えた本体が表れる。本体サイズは192(幅)×361(奥行き)×253(高さ)ミリ。重量は2.7キロ。ホースと収縮式パイプ、それにタービンヘッドを装着した状態では4.75キロとなる。
パッケージには本体とホースおよび収縮式パイプ、それにタービンヘッドのほかにも狭いところを掃除する際に利用する「フレシキブル隙間ノズル」、接地面が柔らかなブラシ状になっている「ソフトブラシツール」、加えて布団や毛布などからホコリを吸い取る際に利用する「フトンツール」が同梱されている。いずれの交換ヘッドも収縮式パイプを介さず、直接ホースに取り付けることができる。
ちなみに収縮式パイプは、本体の背中部分に設けられたラッチへ取り付けることができる。そのために収納時でもホースが“暴れる”こともなくスッキリと収納できるのだが、ホースの柔軟性はあまり高くないので、ホースを収縮式パイプへ巻き付けるような収納はできない。
小型化を進めたというだけあって、実機を目の当たりにしても予想以上の小ささで、片手で持ってもさほどの重量感はない。ホースとヘッドを装着し、電源コードを本体から引き出しコンセントにつないだ状態でも軽快さは変わらず、ホースのグリップを構えて移動すれば本体はスムーズに追従してくる。
このスムーズさはボディに球状の車輪を配置し、なおかつ、本体とホースの連結部が左右に稼働することに起因する。ボディの径の小ささが小回りの良さを生み、連結部の稼働がそれを補助するため、ホースで本体を斜め方向に引っ張っても本体はくるりと動き、掃除機本体が倒れてしまうことはない。無論、力を入れて急激に引っ張れば本体は横倒しになるし、電源コードが絡まれば転倒するのだが、普通に使っている限り、本体が倒れてしまい掃除の邪魔になるといった事態はほぼ起こらないと思っていい。
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