インタビュー
» 2014年07月24日 14時27分 UPDATE

ホームシアターを変える「Dolby Atmos」とは? (1/3)

AVアンプメーカー各社から発表が相次いでいる「Dolby Atmos」対応機。今回はパイオニアにDolby Atmosの作法と効果、そして「SC-LX58」について詳しく話を聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 AVアンプメーカー各社から「Dolby Atmos」対応機の発表や開発表明が相次いでいる。久しぶりに登場した新しいサラウンドフォーマットとあってか各製品とも気合いが入っているが、映画館でも普及し始めたばかりの“次世代サラウンドフォーマット”は、果たして一般家庭でどこまで実力を発揮できるのだろうか。対応AVアンプ「SC-LX58」を発表したパイオニアに聞いた。

ts_dolbyatmos01.jpg パイオニアのAVアンプ「SC-LX58」。9月発売予定で、Dolby Atmosにはファームウェアアップデートで対応する。価格は17万8000円

 「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)の特徴は、高さ方向を含む立体的な音響空間だ。こう書くと従来のサラウンドフォーマットやDSP処理とあまり変わらないように感じるかもしれないが、今回はオーバーヘッドスピーカー(あるいはトップスピーカー)と呼ばれる“天井スピーカー”を物理的に配置する点が大きく異なる。理想のドーム型音場を形成できるようになるという。

ts_atmos03.jpg パイオニアの視聴室。天井に6つのスピーカーが設けられていた。さまざまな設置方法を検証するため、レールやジョイントを使って可動するようになっている

 Dolby Atmosのサウンドトラックには、2層のレイヤー構造とオブジェクト指向の手法が用いられた。まずベース層には従来のチャンネルベースの手法を組み合わせ、あまり動きのない環境音を収録する。上位レイヤーには動きのある音響要素をオブジェクトとして収録し、その要素が“どのように振る舞うか”を位置情報および時間情報のメタデータとして記述する。映画制作者は、スクリーンの映像に連動するように音を配置し、自在に動かすことができる。

ts_atmos04.jpg パイオニアホームエレクトロニクス技術部第1技術部技術1課の平塚友久副参事(左)と事業企画部商品企画部コンポーネント企画課 の山田喜行主事(右)

 映画館におけるDolby Atmosの音場空間は高く評価され、2012年に最初のDolby Atmos対応劇場がオープンして以来、全世界で増加中。対応する映画も60タイトルを超えた。「AVアンプメーカーにとっては、Dolby True HDやDTS-HD Master Audio以来の本格的フォーマットですから、期待しています」(平塚氏)というのも頷ける。

 では、家庭用のDolby Atmosは劇場とどう違うのか。

天井にスピーカーを設置するというハードル

 平塚氏によると、劇場用とホームシアター用の違いは「最大のスピーカー数が異なるだけ。基本的には同じです」という。劇場では最大64個のスピーカーを駆動できるが、民生用では最大34個。どちらも従来と同じ9.1chや7.1chにグループ分けして利用するため、単純に大きな劇場向けの冗長性を省いただけといえる。

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