連載
» 2014年09月26日 19時26分 UPDATE

潮晴男の「旬感オーディオ」:アンプらしからぬ見た目で“生きた音楽”を奏でる――NuPrimeのUSB-DAC内蔵プリメイン「IDA-16」 (1/2)

ぼくはアンプにはボリュームのノブが必須だと言い続けてきたが、こんなデザインのアンプを見ていると、もういいのではと納得させられてしまいそうだ。

[潮晴男,ITmedia]

 先週立て続けにライブの音楽を聴いた。といってもフルオーケストラやロックのコンサートではなく、1つはモーニング娘。のメンバーだった安部なつみさんのニューアルバム「光へ〜クラシカル&クロスオーバー」のリリースを記念したライブ、そしてもう1つは大田区にあるプライベートのミュージックハウスで行われた、おじさんバンドの演奏である。

ts_natsumi.jpg 安部なつみさんのニューアルバム「光へ〜クラシカル&クロスオーバー」は日本コロムビアから10月22日発売。初回限定版はDVD付き

 安部なつみさんは、アイドルグループを卒業後、ミュージカルに出演するなどしてそれまでとは異なる音楽と出会った。そして生のオーケストラと競演することの楽しさや魅力が新作アルバムの制作につながっているという。当日は曲数こそ少なかったが、バイオリン8名、ヴィオラ、チェロそれぞれ2名、コントラバス、ピアノ1名の編成をバックに、サントリーホールの小ホール、ブルーローズでアルバムに収録した楽曲がお披露目されたのである。

 一方おじさん達の方は、モズライトのエレキギターを携えた5人編成のベンチャーズ・コピーバンドがインストゥルメンタルの楽曲を次々に送り出し、プライベートのミュージックハウスながら工場の2階に設えた80席を超える会場を大いに沸かせた。

 こうしたライブの音楽に接すると、やはり音は活きているんだなぁ、とつくづく思う。と同時にオーディオの接し方についてもいろいろと考えさせられる。生の音の持つ感動をどこまでスピーカーから引き出すことができるのか……。オーディオにとってスピーカーは大切な音の原器だが、そのスピーカーをドライブするアンプも極めて重要なアイテムだ。アンプが貧弱だとスピーカーからは非力な音しか出てこないからだ。

ts_nuprime01.jpg NuPrimeの「IDA-16」。価格は26万円(税別)

 今年の秋もオーディオの世界に実りの秋がやってきた。新製品の数は減少傾向にあるものの各社とも力作がそろう。NuPime(ニュープライム)の「IDA-16」もその1つだ。ニュープライムはたぶん読者にとって聴き慣れないブランド名だと思う。では、NuForce(ニューフォース)と言えばどうだろうか。米国生まれのニューフォースは昨年このページでもAVプリアンプ「AVP-18」と、HDMI端子を装備せずアナログ入力だけで構成したマルチチャンネル・プリアンプの「MCP-18」、そしてマルチチャンネル・パワーアンプ「MCA-20」を紹介しているので、記憶の片隅に残っている人もいることだろう。

 そのニューフォースの新生ブランドがニュープライムである。本国ではニューフォース・ブランドはヘッドフォンやコンパクトなUSB-DACを内蔵するアンプなど多岐に渡る幅広い製品をラインアップしている。そのためどうしてもハイエンド製品が埋もれがちになってしまうことを省みて、彼らは新たなるブランドを立ち上げたというわけだ。そしてその第1弾がここで紹介するプリメインアンプの「IDA-16」である。

 IDA-16はニューフォースブランドの「IA-18」の後継機でもあるわけだが、精悍(せいかん)なデザインをまとったフォルムがアンプらしからぬ斬新さをアピールする。ぼくはアンプにはボリュームのノブが必須だと言い続けてきた。それは視覚的に回転角でボリュームの位置を知ることができるからだ。しかしながら電子化が進んで以来、ボリュームはデジタル表示が可能になり、必ずしもノブは必要ではなくなった。それでもほしいと思っているが、こんなデザインのアンプを見ていると、もういいのではと納得させられてしまいそうだ。

ts_nuprime02.jpg こちらはブラックモデル

 しかもボリューム回路は0.5dBステップで正確な調整が行えるよう独自のアレンジを施していることにも感心させられた。本体に装備されたキーでもボリュームのアップダウンはできるが、ヌンチャクのような六角形のリモコンを使えばよりスムーズな操作が行える。

ts_nuprime03.jpg ヌンチャクみたいなリモコン

 シンプルな外観に似合わず使用感に優れたアンプだが、やはりこのモデルの特徴はニュープライムのレゾンデートルでもある、デジタル技術を駆使したその回路構成にある。パワーアンプ部にはニューフォース時代から培ってきたPWM方式のアナログスイッチング動作によるクラスDアンプを組み込み、チャンネルあたり200ワットのパワーを送り出す。コンパクトに仕上げたパワーブロックはまさに極限的なサイズといってもいいが、そのおかげで信号の受け渡しを最短距離で行い、このモデルでもノイズ感の少ないサウンドの獲得に成功した。

 またパワーブロックを支える電源回路にはオリジナルのアナログスイッチング方式を採用し、さらにCMA(クロス・マトリックス・アレイ)と呼ぶ整流回路によってゆとりの電流供給を実現していることもこのモデルの能力を下支えしている。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.