インタビュー
» 2015年01月07日 23時04分 UPDATE

2015 CES:ソニー担当者に聞く――ウォークマン「NW-ZX2」と新コーデック「LDAC」の特徴 (1/3)

ソニーが発表した“ウォークマン”の最新フラグシップ「NW-ZX2」、そしてハイレゾに迫る圧縮効率を実現したBluetooth用の新コーデック「LDAC」。これらの特徴について、ソニーのオーディオ製品担当者に詳しく聞くことができた。

[山本敦,ITmedia]

 「2015 International CES」を舞台に、ソニーが発表した“ウォークマン”の最新フラグシップ「NW-ZX2」、そしてハイレゾに迫る圧縮効率を実現した新コーデック「LDAC」。これらの特徴をソニーのオーディオ製品担当者に詳しく聞いた。

高音質化設計を徹底的に磨き上げたウォークマン「NW-ZX2」

 インタビューは開発に携わったソニー・ホームエンタテインメント&サウンド事業部 V&S事業部 サウンド1部 商品設計6課 シニア エレクトリカル エンジニアの大庭亮氏、ならびにウォークマン開発チームのビデオ&サウンド事業本部 V&S商品企画部 Sound商品企画 1課の浦川里美氏に答えていただいた。

ts_09cessony01.jpg インタビューに答えていただいたソニーの浦川氏(左)と大庭氏

 ソニーが北米市場に初めて投入したハイレゾ対応ウォークマンは、昨年秋に発売したエントリーモデルの「Aシリーズ」だが、日本で発売されている「NW-ZX1」は北米で未導入だったため、「NW-ZX2」が初めてのハイレゾ対応ハイエンドモデルになる。「北米でもHDtracksなどのハイレゾ配信サイトを通じて高音質音源の認知が急速に拡大しています。Aシリーズを導入してから大きな反響をいただいていることもあり、NW-ZX2には多くの来場者から関心を寄せていただいているようです」と浦川氏は手応えを語る。

ts_09cessony02.jpg ウォークマンの最新ハイエンドモデル「NW-ZX2」

 「NW-ZX2」の音づくりについては「フラグシップならではのエレガントさ」を追求したという浦川氏。「NW-ZX1」は同じ高音質を追求した上位機種ながら、その音質の傾向が異なるため「NW-ZX2」の発売後も販売は継続される。

 大庭氏によれば、高音質化のポイントは「シャーシ」「電源の強化」「オーディオ信号線の最適化」「クロックの最適化」にあるという。シャーシにはアルミと銅を使ったハイブリッドシャーシを使用する。フレームには総削り出しのアルミ材を用いたうえ、金メッキを施した銅板を組み合わせることで、本体の剛性を高めるとともに抵抗値を大幅に下げ、クリアで力強い低域再生の実現につなげている。

 電源部はバッテリーからアンプに電力を供給するためのラインに電気二重層キャパシターを搭載。バッテリーパックは容量を「NW-ZX1」の約2倍となる1860mAhに大型化し、抵抗値は約1/2に下げている。電源基板にも伝導率が高く、安定して電源供給が行える厚膜成形の銅箔プリント基板を設けた。さらにアンプ部はチャージポンプ電源を従来のPOSCAPからOS-CONに変更するなどパーツの高音質化にもこだわった。これらの強化を図ることで、ボーカルのクリアさや定位が向上し、アタックのキレ味やワイドな空間表現を可能にしていると大庭氏は語る。

 信号経路は基板上のオーディオ回路のレイアウトをブラッシュアップしながら、回路全体の安定化を図った。アンプからヘッドホン端子までのグランド線材は、「NW-ZX1」ではL/Rが一体化されていたものを最新の「NW-ZX2」ではL/Rで分離して配置することで、グランドにかかる共通インピーダンスを下げ、より一層ステレオイメージを向上させるとともに、音のひずみも低減させている。ウォークマン「Aシリーズ」から採用された“無鉛はんだ”の効果も認められ、今回の「NW-ZX2」に継承された。

 クロック部分は48kHz系のほかに44.1kHz系の水晶発振器を別途追加して、それぞれの信号に完全同期を図った。「従来のNW-ZX1では44.1kHz系のハイレゾ音源はいったん48kHz系に変換をかけてから処理を行っていましたが、内部に2個の独立したクロック発信器を持たせることでそれぞれに同期の安定性が高まり、音質向上に大きな効果をもたらしています」と浦川氏はその効果の高さを強調する。

ts_09cessony11.jpg DSD再生時にはデジタルフィルターの切り替えやゲイン調節が行える

 DSD再生はZX1で対応していた2.8MHz音源に加え、5.6MHz音源のリニアPCM変換による再生にも新たに対応した。先にリポートしたように、DSDの楽曲再生時には「スローロールオフ/シャープロールオフ」の2種類のデジタルフィルターを切り替えて音の違いを選べるようになっている。「スローロールオフではクラシックの楽曲再生時に柔らかく、繊細な表現が楽しめるのが特徴」と大庭氏は説明する。

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