米Appleが有料音楽ストリーミングサービスのBeats Music買収を完了してから約9カ月。同社が6月に開催する年次開発者会議WWDCで、新たな音楽サービスを発表するといううわさがあるので、現時点でのうわさをまとめた。
2011年の「iTunes Match」や2013年の「iTunes Radio」など、Appleは音楽関連サービスをWWDCで発表してきた。(昨年のWWDCではBeatsのドクター・ドレが声でのみ登場した。)
Beats MusicはiTunesに統合され、iOSにプリインストールされる上、Mac上のiTunesおよびApple TVとも統合されるという。
Beats Musicというブランドは消えるが、既存ユーザーはアカウントをそのまま移行でき、ユーザーインタフェースも現在の黒ベースを維持したまま、iOSのフラットデザインと融合される。
また、iTunes Radioは現在、北米とオーストラリアでしか提供されていないが、提供地域が“大幅に”拡大されるという(日本が含まれるかどうかは不明)。
現在開発者版がリリースされている「iOS 8.4」の正式版に、iTunes Radioの更新版と新しい有料ストリーミングサービスが搭載されるという(米9TO5Macより)。
iOS 8.4はWWDCで発表され、リリースは6月末とみられている。
新有料サービスの料金はSpotifyのPremiumプランや「Google Play Music All Access」などの競合と同じ月額9.99ドルになる可能性が高い。
広告付きの無料サービスはないが、米re/codeによると、最長3カ月の無料お試し期間があるようだ。
Appleは1月に英音楽解析企業Musicmetricを買収しており、新ストリーミングサービスにはユーザーのアクティビティに基づくプレイリスト作成機能を搭載するとみられているが、英BBCの著名なDJを引き抜いていることから、人力によるキュレーションサービスも搭載されるという予測もある。
これもre/codeによると、音楽ソーシャルサービス「SoundCloud」のように、アーティストが自分の楽曲を登録・共有する機能があるという。
現在のBeats MusicにはAndroidアプリもある。Appleはこれまで、Android向けアプリをリリースしていないが、Billboardをはじめとする複数のメディアが、新ストリーミングサービスのAndroidアプリをリリースすると予測している。
米New York Postによると、EUがAppleと音楽レーベルとの交渉について調査を開始したという。また、米The Vergeは米司法省(DoJ)と米連邦取引委員会(FTC)もAppleの音楽関連の商習慣についての調査を開始したと報じている。The Vergeによると、Appleはレーベルに対し、Spotifyの無料ストリーミングサービスへのコンテンツ提供を辞めるよう圧力を掛けているという。
米Billboardは、ある大手レーベル幹部がBeats Musicの再立ち上げは「6月ではないだろう。取引が完了していない」と語ったと報じた。
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