「NETFLIX」の上陸はテレビに何をもたらすのか――フジテレビ&ネットフリックスインタビュー(1/2 ページ)
この秋、日本でもサービスを開始する動画配信サービス「NETFLIX」(ネットフリックス)。国内展開のカギを握るコンテンツ調達において、最初に手を組んだがフジテレビジョンだった(→関連記事)。テレビ業界の“脅威”として語られることも多いNETFLIXだが、合意までにどのような経緯があったのか。交渉を担当したフジテレビジョン編成統轄担当局長(発表時)の斎藤秋水氏とNetflixの大崎貴之副社長に聞いた。
「NETFLIX」は、定額制見放題のサブスクリプション型動画配信サービスの草分け的存在だ。明快なサービスと豊富なコンテンツでユーザーを広げ、現在では世界50カ国、6200万人(2015年4月時点)のユーザーを抱える巨大プラットフォームに成長した。とくに米国では全世帯の4分の1が利用しているという。オリジナルコンテンツの製作に力を入れていることも特徴で、代表作「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(2013年~)は、1億ドルという巨額の制作費やデヴィット・フィンチャー監督の起用で話題になった。さらに“テレビ界のアカデミー賞”と呼ばれる「プライムタイム・エミー賞」をネット初公開のドラマシリーズとして初めて受賞。業界に衝撃を与えた。
フジテレビも例外ではなかったようだ。同社が米Netflixと初めて顔を合わせたのは1年ほど前。斎藤氏によると、フジテレビの大多亮常務はあいさつの席で「ハウス・オブ・カードみたいなのを作りたいんだ」とぶち上げたという。「でも、そのときは『そこまでお金はかけられない』と言われてガクッときました」と笑う斎藤氏。「その後、しばらくしてから私がNetflix日本法人の方と会い、『映画並みとはいわないまでも“テレビサイズ”でできる企画をやりませんか?』と提案しました。それが2014年の11月頃です」。その後、わずか7カ月で発表に至ったのは、大崎氏による部分が大きかったという。
Netflixの大崎副社長は、マーケティング部門のトップだ。コンテンツ調達の担当ではないが、映画業界出身の“目利き”。その大崎氏がフジテレビの「テラスハウス」に興味を持ったことで話は大きく進展する。「Netflix日本法人のミッションは、日本人にも受け入れられるコンテンツを確保することです。フジテレビはコンテンツを大事にして、質の高いコンテンツを送り出してきました。そうしたビジョンが一致したことが大きいですね」(大崎氏)。
「テラスハウス」といえば、フジテレビ系列で2012年10月から2014年9月にかけて放送されたリアリティーショー。シェアハウスに暮らす男女6人の生活を台本なしでストレートに描く手法が話題となり、10~20代の若者を中心に人気を博した。今年2月には劇場版「テラスハウス クロージング・ドア」が公開され、興行収入12.7億円を記録するなど“テラハ”人気は健在だ。
「Netflixは、1つ1つの番組や出演者についても理解していて、良いものは良いと言ってくれる。コンテンツに対する愛を持っている会社だと感じました。そしてフジテレビは、若い人、感度の高い人、尖った人たちが見てくれるものを作り続けたい。そんな話をして『一緒にやれそうだ』と確信したのは今年の2月頃です。もちろん、それまでは連日のように議論していましたよ。モノ作りって、しょっちゅうぶつかるんです」(斎藤氏)。
合意により、フジテレビは完全新作「TERRACE HOUSE NEW SEASON COMING(仮)を制作することになり、現在は新たな住人を公募中。そしてもう1つ、新しい連続ドラマ「アンダーウェア」(英題:Atelier)の配信も決まった。「アンダーウェア」は、華やかな下着メーカーに就職した主人公の戸惑いと成長を描く“お仕事系青春小説ドラマ”。脚本は「失恋ショコラティエ」「リッチマン、プアウーマン」などの安達奈緒子氏が手がける。
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