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» 2015年12月24日 21時05分 UPDATE

長く使って良かったモノ:2015年、コレ買いました――AVライター・山本敦の場合 (1/3)

各分野の専門家が、実際に長く使って「良かった!」あるいは「ちょっとね〜」というものを取り上げる年末企画。第2回はAV機器の専門家、ライターの山本敦さんです。今年のオススメAV機器は……え、スマホ?

[山本敦,ITmedia]

製品名:ソニーモバイル「Xperia Z5 Premium」

 2015年の後半に登場して、話題をさらった「世界初の4Kディスプレイ搭載スマホ」。9月にIFA2015で発表された瞬間に一目ぼれして、それでも実際に買うかどうかは何度か取材の機会に触ってみながら熟慮して、それでも「まだ欲しい」という気持ちが残っていたらということに。結果、見事に物欲耐久テストを経て12月にゴールインと相成った。

ts_butuyoku05.jpg 初めて4K表示対応のディスプレイを搭載したスマホ「Xperia Z5 Premium」は納得の高画質。ハイレゾ対応を中心とした音楽リスニングのための機能が充実していることも購入の決め手になった

丁寧に画づくりを練り上げられた4Kスマホ

 一体こいつのどこに惚れたのか? ポイントは3つある。1つは当然ながら4K画質に満足できたこと。筆者はふだん自宅でソニーのBDレコーダー「BDZ-ET1100」で見たいテレビ番組を録画して、外出先で「TVSideView」アプリを使ってストリーミング、あるいはスマホに「おでかけ転送」を使って楽しんでいる。これまでフルHDディスプレイの「Xperia Z2」で視聴していたが、同じ360p画質の映像でも、「Xperia Z5 Premium」に搭載されている高精度なアプコン機能「X-Reality for mobile」により、一段と精細感の高い映像が見られる実感がある。動画配信サービスの「dTV」や「NETFLIX」など、普段使いの映像コンテンツを見ても画質の差は確かに感じられる。

 ソニーのXperia Zシリーズは、従来からBRAVIAの高画質技術を投入して“テレビの画質”を追求してきたスマホだ。それはつまり、スペック的に進化させるだけでなく、「画づくり」までしっかり追い込みながら、感性に訴えかけるクオリティを目指してきたということだ。4Kうんぬんはさておき、基本の画質が他のスマホには到達しがたい領域に達しているところが魅力なのである。その差は自然な色彩感やコントラストの表現力にもはっきりと表れる。きっと来年はXperia以外にも「4Kスマホ」がいくつかのメーカーから出てくるだろうが、Xperiaほど丁寧に画づくりを練り上げられた4Kスマホはこれからも簡単には生まれないと思う。生まれないんじゃないかな……。ま、ちょっと覚悟はしておこう。

 私が昨年の春から使っていたXperia Z2はシリーズ初のハイレゾ対応スマホだったが、USBオーディオによるハイレゾ出力にしか対応していなかったため、Xperia Z5 Premiumを導入してからイヤフォンジャック経由のハイレゾ再生が手軽に楽しめるようになった。さらにはBluetoothでハイレゾ相当のサウンドが楽しめるLDACにも対応しているし、音楽再生環境を一段ステップアップできそうな期待感を持てたことが、購入を決めた2つめのポイントだった。

 Xperiaシリーズがハイレゾ対応になってから一応すべてのモデルを試聴してきたが、新しいXperia Z5 Premiumは従来からの高解像でクリアな中高域のキャラクターを残しつつ、特にアウトドアリスニングで力不足を感じていた低域が存在感を増して全体にバランスが整った印象がある。ハイレゾコンテンツだけでなく、最近は移動中に定額制音楽配信サービスを利用する機会も増えてきたので、スマホがポータブルオーディオプレーヤーとして活躍する頻度が高まっている。人混みや電車の中などで音楽を聴くときには、専用イヤフォンとの組み合わせでデジタルノイズキャンセリング機能を使えるのがありがたい。

 音楽再生機能については不満点もある。私の場合はハイレゾ音源を詰め込んだmicroSDカードを付け替える頻度がそれなりに高いのだが、XperiaシリーズはZ4からSIMカードとSDカードのスロットとトレイが共通という構造になってしまった。つまりmicroSDカードを抜き差しするたびに、本体の電源をオフにして再起動しなければならないのだ。本体の薄型化や防水・防塵設計のためにはスロットを共通化した方が有利なのかもしれないが、SDカードスロットは別口の方がハイレゾ再生を楽しむことに限っていえば楽に使える。

 またUSB-DAC内蔵ポタアンにつないでUSBオーディオ経由でハイレゾを聞くときも、Xperia Z4から接続したアンプ側のUSB-DACの最大スペックに合わせて自動でアプコン再生に切り替わるようになってしまった。Xperia Z2ではソース側のクオリティが優先される仕様だったので、何となく違和感があり、アンプによるハイレゾ再生からは遠ざかってしまった。

 そして最後にXperia Z5 Premiumを選んだ決め手はカメラ機能だ。Z4に比べてセンサーの基本性能が上がっていることについてはさほど大きな変化には感じられないのだが、0.03秒というAFスピードはスマホ内蔵のカメラとしてはとても高速なので、普段のスマホによる写真撮影が快適になった実感がある。iPhoneのカメラと比べて、夜景も明るく色が鮮明に写せるところにも満足している。

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