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人が通り抜けられる大型「空中ディスプレイ」、三菱電機が開発

» 2016年02月17日 11時34分 公開
[ITmedia]

 三菱電機の先端技術総合研究所は2月17日、何もない場所に対角約56インチの映像が現れる「空中ディスプレイ」技術を発表した。デジタルサイネージやアミューズメント用途、案内標識など公共サインの分野に向けて開発を進め、2020年度以降の実用化を目指す。

「空中ディスプレイ」の表示イメージ。中央が空中映像で、左右の壁にガイド映像を表示している

 空中に映像を表示する仕組みは、入ってきた光を反射光と透過光に分離する光学素子“ビームスプリッター”と、入ってきた光を同じ方向に反射する“再帰性反射シート”を組み合わせたこと。スクリーンの映像(光)をビームスプリッターで分離し、再帰性反射シートで複数の光を反射、離れた場所に結像させると空中に映像が現れる。ビームスプリッターから空中映像中心部の距離を1m以上とすれば、「人が通り抜けられる空中映像」になる。

空中に映像を表示する原理

 試作機では、空中映像の両サイドにある壁面にプロジェクターでガイド映像を表示することで、見る人の目の焦点を空中映像に自然に誘導。ガイド映像と空中映像をシームレスに表示することで、対角約90インチ(幅1992×高さ1120mm)のワイドな映像となり、エンターテイメント性も高まるとしている。

ガイド映像と空中映像をシームレスに表示

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