東芝「REGZA」(レグザ)の強みは、たとえニッチであっても狙った市場のニーズを的確に捉える製品企画と、それを実現する技術開発力にある。さらに、常にユーザーの「期待値を超える」(本村氏)ことを目指しているため、製品を見た人は頷き、ときに驚く。10年の歴史の中で繰り返されてきた光景だ。
新製品の「V30シリーズ」は、春の新生活需要に狙いを定めたパーソナルテレビだ。一人暮らしを始める人、あるいは個室の2台目テレビとして使用されることを前提に、求められる機能をピックアップ。全体としてはコストを抑えたシンプルラインでありながら、いくつかの機能に関しては一歩進んだ付加価値を足して存在感を示す。前回に続き、レグザのキーマンとして知られる東芝ライフスタイルの本村裕史参事、そして東芝ライフスタイル経営企画部ブランド推進担当の増宮紀子氏に話を聞いた。
「前回、『10周年に向けて攻勢に出る』と言いましたが、これまでの戦略を変えるわけではありません。今回のV30はむしろ、今まで培ってきた“モノ作りへの思い”が結実したもの。シンプルラインではあってもスピーカーを前面に配置したことで良い音を感じてもらえる。本当に録画のことを考えればチューナーは3つ欲しい。テレビでNETFLIXを見る人も増えています。画質にこだわり、音質にもこだわり、新しいカテゴリー(ネット動画)にもこだわった製品ができたと考えています」(本村氏)
録画については、USB外付けHDDをプラス(別売)することで録画が行える上、このクラスでは珍しく、地上/BS/CS110度対応デジタルチューナーを3基搭載している。「番組の放送時間が微妙にかぶっていたりして、お目当ての番組が録画できなかったときのショックは大きいですよ。チューナーが3つあれば、テレビを見ながら裏番組を2つ録画できます。悲しい事態を防ぐことができます」(本村氏)
「3つも必要なの?」という人は、家電量販店のレコーダー売り場をのぞいてみてほしい。今やほとんどのスペースをダブルチューナー以上の製品が占めている。それはシングル録画とダブル録画の差は、1度使ったら後戻りできないくらいに大きいからだ。V30はテレビなので、録画状況に左右されない視聴用のチューナーが1つ必要になる(これがないと、録画しているのにその番組しか見られない)。その上でダブル録画を実現するため、ぜいたくに3チューナー構成を採用したわけだ。
また、V30はクラウドサービスの「TimeOn」に対応している。TimeOnにはさまざまな機能があるが、例えば「みるコレ」という機能では、タレント名やスポーツチーム名、あるいは「大人向けアニメ」といったテーマごとに作られた「パック」というものを登録することで、関連する録画番組やこれから放送する番組、YouTube動画などを一覧できるようになる。パックは既に約6万4000も用意されていて、無料で利用できる。さらに設定で「おまかせ録画」をオンにしておけば、録画予約の操作なしで関連番組がどんどん録画されていく。学校や仕事で忙しい人にはとてもありがたい機能だ。
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