インタビュー
» 2016年06月15日 13時35分 UPDATE

目指したのは“目や耳をふさがないハンズフリー”――ソニーのコンセプトモデル「N」 (1/2)

ソニーの新しい研究開発プログラム「Future Lab Program」から登場したコンセプトモデル「N」。この技術が活用されるようになれば、危険な“歩きスマホ”が減るかもしれない。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 米国で3月中旬に開催されたクリエイターのイベント「SXSW(サウスバイサウスウエスト)Interactive 2016」で、ソニーがコンセプトモデル「N」を公開した。研究段階のものを公開することも異例だが、N自体も今までに例のない新しいウェアラブル製品となっている。Nの機能と目的について、開発者のソニー、RDSプラットフォーム システム研究開発本部の岡本直也氏に話を聞いた。

ソニー、RDSプラットフォーム システム研究開発本部 応用技術開発部門 ソリューション開発部統括部長、Distinguished Engineerの岡本直也氏

 Nは、ソニーの新しい研究開発プログラム「Future Lab Program」(フューチャー・ラボ・プログラム)の一貫として公開された。同社は近年、新規事業の開拓を目指して「LifeSpace UX」やSAP(Seed Acceleration Program)など複数のアプローチを平行して進めているが、Future Lab Programは、「社内のR&Dで開発しているものを一般の方にも見てもらい、フィードバックを得ながら開発を加速する」(岡本氏)ことがコンセプトだ。同社としても初めて採用する開発手法だが、「目指すものをユーザーと共有し、深化させたい」という考えでスタートした。

Future Labの「F」と「L」をモチーフにしたターゲットのようなマークにプロトタイプを象徴する1文字だけを入れたイメージ

 同プログラムでは、イメージの固定化を避けるため、製品を披露する前にあえて詳しい情報は出さない。Future Labの「F」と「L」をモチーフにしたターゲットのようなマークにプロトタイプを象徴する1文字だけを入れたイメージも、ユーザーに固定観念にとらわれずに製品を見てほしいという考えからだ。「具体的な定義をすると形が決まってしまう。今回のプログラムを通じ、われわれも気づいていない可能性が出てくることを期待している」(同氏)

目や耳を奪わないハンズフリーとは?

 「N」は3つのコンポーネントで構成されている。1つは「ネックバンド型ウェアラブル」、2つめは「パーソナルラジオサービス」、そして3つめは「オープンスピーカーのイヤフォン」だ。

「N」

 ハードウェアの中心となる「ネックバンド型ウェアラブル」は、常に身につけていられる形を目指した“C字型”のデバイス。これを首にかけると、内蔵のマイクとスピーカーで音声コマンドを使えるようになる。ヘッドフォンのように耳をふさがず、スマートフォンのように画面に目を向ける必要もない。

底面に操作ボタン

 音声コマンドは、従来の「1問1答」ではなく、より受身の使い方を想定している。例えば「ニュース聞かせて」「音楽をかけて」といった端的な言葉で、構成要素の2つめに挙げたパーソナルなラジオサービスを受け取る仕組みだ。岡本氏は、「目指すべき体験があるので、必要なデバイスとサービスを一緒に開発している」と説明する。また、ウェアラブルにはGPSを内蔵しており、特定の場所にいくとその場所の情報が流れるなど、インタラプト(割り込み)も可能なサービスになっている。

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