今、多くのコンデジは生き延びるためにセンサーサイズを大きくしたハイエンド機や、ズーム倍率をどんどん上げた高倍率ズームコンパクト機に注力しているわけであるが、そんな中、カシオが面白いアプローチを仕掛けてきたのである。
望遠ではなく広角に振ってきたのだ。「EX-ZR4000」である。光学ズームは5倍と弱いが、それが19mm相当スタートとなると話は別。超広角系ズームなのだ。
多くのコンデジよりさらに一回り広いエリアを撮れる。現行コンデジの中では(魚眼レンズを搭載したカシオのEX-FR200や発売日未定のニコンDL18-50を除くと)一番広い。
19mmスタートの広角であること、自撮り向け機能が充実してること、EXILIM オートトランスファーでスマホへの自動転送ができること。このイマドキのカメラっぽい仕様を持ちながら、1/1.7型という渋いセンサーを積んできたところが注目点だ。
19mm相当ってかなり広い。24mm相当で対角線画角は約84度だが、19mm相当だと約97度と90度を超えるのだ。
風景を広く撮れるのは当然として、見上げたり見下ろしたりすればパースが強くついた超広角ならではの表現を楽しめるし、狭い室内でも広く撮れるし、状況をきっちり記録しておきたいときもこの画角はいい。
でもZR4000が一番狙ってるのはそこじゃないのである。
“自撮り”だ。
自分と背景を一緒に広く撮りたいとき、19mmと24mmでは大きく違う。スマホのインカメラはだいたい28mm前後なのでさらに画角は狭い。大勢で一緒に自撮りしたいとき、19mmなら……手に持ったままでもたぶん4~5人はOK。素晴らしい。
使い勝手もよく考えられてる。電源オフ時にモニタを開くだけでオンになる。そのまま180度開いて自撮り状態にすると自動的に自撮りモードへ。
自撮り用にフロントシャッターも用意されてる。フロントシャッターと上部の普通のシャッターボタンで設定を変えられるので、フロントシャッターを押すと自撮り用に2秒セルフタイマーがかかるなんてこともできるわけである。
このボタンは縦位置自撮り時も便利。
こんな感じである。
さらに撮影モードに自撮り専用の「セルフィーアート」モードがついた。
自撮りモードを持つコンデジは数多いけど、ここまでやってくれるのかカシオだけ。さすが自撮り機能でアジアで大人気のデジカメメーカーだけのことはある。
このセルフィーアートは自撮り時以外でも使えるので、ほわほわんなポートレートを撮りたいときはぜひ。美肌のかかりぐあいも選べるのである。これ、自撮りを含む日常や趣味や旅の記録をガシガシおさめるにはすごくいいんじゃないか。
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