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» 2016年12月15日 11時00分 UPDATE

野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review:まだ進化の余地があったの!? MrSpeakersの「Flowシリーズ」に驚いた (1/2)

いやはや、驚いた。というのは、米国MrSpeakers製のヘッドフォンの話。上位モデルとして登場した「Flowシリーズ」を試聴すると、そのクオリティーアップに驚かされる。今回は従来機を含めた4機種で聴き比べた。

[野村ケンジ,ITmedia]

 いやはや、驚いた。

 というのは、米国MrSpeakers製のヘッドフォン「ETHER」と「ETHER C」の話。この初夏にバージョン1.1へのアップデートを紹介したばかりなのに、矢継ぎ早に上位モデルの「Flowシリーズ」がデビューしたのだ。

Flowシリーズは密閉型ハウジングを持つ「ETHER C Flow」(左)と開放型ハウジングの「ETHER Flow」(右)

 この製品は、同社が開発中の静電型ヘッドフォン「ETHER Electrostatic」の研究課程で生み出された技術を応用したもの。流体力学に基づく「True Flow」技術(後述)やアルミ合金製の削り出しバッフルの採用などを合わせ、上位モデルならではの音質グレードアップを実現したという。

 なお、この「ETHER Flow」シリーズはあくまでも追加ラインアップということで、ETHER」とETHER Cも継続販売される。また、上位モデルの登場に伴い、従来機の売価も引き下げられた。オープン価格ではあるが、確認したところETHERで20万円前後となっているため、4万円程度のプライスダウンだ。また、Flowシリーズも先日までのオリジナルETHERとほぼ同じ価格(24万円前後)になるようなので、そちらも魅力だ。

 ということで、ここからは本題というべき、新製品のFlowシリーズについて紹介していこう。オリジナルETHER同様に、開放型ハウジングの「ETHER Flow」と密閉型ハウジングを持つ「ETHER C Flow」の2モデル展開で、平面振動板ドライバーユニット「V-Planar振動板」を搭載している。True Flow技術を全面に押し出したモデル名称からも分かるように、今回のメインはハウジング内部の新構造だろう。

 特許技術のTrue Flowテクノロジーは、振動板前後のトレイに空けられた穴に、空気の流れを阻害しない構造のガイドパーツを装着したもので、これによりオリジナルに対して中域の歪(ひずみ)率を2分の1以下に抑制することができたという。

平面駆動型のヘッドフォンは固定用のガイドパーツに棒状の磁石を取り付けた構造になっている。トレイには音(空気の振動)を通過させるための穴があるが、一般的には平面の板で作られており、また空気の振動と直角に交わる構造。これが回折効果と反射効果を強調してしまい、歪率を上げていた。そこでMrSpeakersでは、空気の流れを阻害しない構造のガイドパーツを新たに開発。歪率を半分以下に抑えた
空気の流れのイメージ。新開発のガイドパーツは複雑な形状をしているため、3Dプリンターを駆使して製造するという

 イヤーパッドも新デザインになったほか、細かい部分ではヘッドバンド部固定部をFlowシリーズ専用のものに変更している(片側に“Flow”ロゴが入ったもの)。実際、イヤーパッドについては見た目でもはっきり違いが分かる。Flow用の新タイプでは、後ろ側が厚手となる立体縫製のものに変更されており、装着感、密閉感もかなり改善されていた。

イヤーパッド。後ろ側が厚手となる立体縫製のものに変更された

 さて、肝心の音質の向上に関してはいかがなものだろうか。

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