インタビュー
» 2017年01月07日 15時43分 UPDATE

CES 2017:ソニーからDolby Atmos対応の新AVアンプとサウンドバーが登場――開発者に詳細を聞いた (1/2)

「Dolby Atmos対応のコンテンツの広がりに、ソニーとして万全の体制で臨む」――ソニーがコンシューマー向け製品としては初めてDolby Atmosに対応したAVアンプ「STR-DN1080」、そしてサウンドバー「HT-ST5000」を発表。 CESの会場で開発者に話を聞いた。

[山本敦,ITmedia]

 2017年のCESがいよいよ開幕し、にぎわうソニーのブースにはたくさんの北米市場向け新製品が展示されている。日本にも登場する可能性の高い、ソニーのコンシューマー向け製品としては初めてDolby Atmosに対応するAVアンプ「STR-DN1080」、サウンドバー「HT-ST5000」の開発者に製品の特徴を聞くことができた。

AVアンプ「STR-DN1080」

 型番から推察するに国内の現行モデル「STR-DN1070」と結びつきの強いラインアップになるであろう、7.2ch対応のAVアンプだ。北米では今春の発売を予定しており、価格は599ドル(7万円弱)前後になる見込み。

Dolby Atmos/DTS:Xに対応したソニーのAVアンプ「STR-DN1080」

 大きな特徴はソニーのコンシューマー向けAVアンプとして初めてDolby AtmosとDTS:Xのオブジェクトベースによる立体音響技術に対応したことだ。北米市場向けのAVアンプとしては「STR-ZA3100ES/ ZA2100ES/ ZA1100ES」などの、ホームシアター施工のプロである“インストーラー”を介して展開される、いわゆる“BtoBtoC系”の商品として先行していたフィーチャーだが、これをコンシューマー向けのモデルにまで広げた狙いは「Dolby Atmos対応のコンテンツの広がりに、ソニーとして万全の体制で臨むため」であると説明するのは、ソニービデオ&サウンドプロダクツにてAVアンプ製品の商品設計に携わるエレクトリカルマネージャーの渡辺忠敏氏だ。

開発を担当したソニーの渡辺忠敏氏

 本体には165W×7chのパワーアンプを搭載。HDMI端子は入力6/出力2系統をそろえ、DN1070と同じHDCP2.2、4K/60P/4:4:4、ならびにHDR信号のパススルー出力に対応している。2K解像度の映像は4Kアップスケール回路を通してより高精細に楽しめる。

 自動音場補正機能は上位機にも搭載する「D.C.A.C EX」を載せ、「スピーカーリロケーション with A.P.M」により、オブジェクトスピーカーも含めたサラウンドスピーカーの音源を理想的な位置に仮想配置ができる。特に本機の場合、Dolby Atmosのサラウンド再生は搭載するアンプ数により5.1.2chまでの対応となるが、音源を理想的な位置にファントムで作り出せる機能を駆使して「ファントムサラウンドバック」の音源を発生させ、より立体感に優れたサウンドを再現。スピーカーの自動キャリブレーションは専用のマイクを使って周波数帯域、フェーズにディレイなどの項目を視聴環境に合わせて32バンドのグラフィックイコライザーにより正確に測定してセットアップができる。

本体に付属するセットアップ用のマイク

 CESのソニーブースで外部の喧噪からシャットアウトされた形で用意されたAVアンプの特設視聴スペースでSTR-DN1080のサウンドを聴く機会を得た。映画「ゴーストバスターズ」のUHD BD版では、地下鉄構内に音が反響する描写をリアルに再現。空間の高さと奥行き感を鮮やかに感じさせた。今年のCESでのデモンストレーション用としてソニーが製作したオリジナルの音源では、高鳴る雷鳴や激しく地面を叩くスコールの飛沫を生々しく感じさせるサラウンド効果が存分に楽しめた。

特設デモルームで立体サラウンド再生を体験することができた

 渡辺氏によればDSD再生もDN1070と同じく、DSD 5.6MHz/5.1chまでのネイティブ再生が可能になるという。32bit精度のDACを搭載し、没入感の高いサラウンドによるDSDリスニングまで楽しめる。192kHz/24bitまでのリニアPCM系のハイレゾ音源も含めて、USBとHDMI、DLNA経由の各手段で再生ができる。DSEE HXによるハイレゾアップスケーリングの技術にも対応した。そのほかにもBluetooth再生はLDACをサポート。マルチルーム再生は「SongPal Link」に対応するほか、「Spotify Connect」や「Chromecast built-in」といった今風のハイライトもカバーしている。

 さらに北米で発売されているGoogleの音声アシスタント端末「Google Home」と連携すれば、「Ok,Google」で機能を起ち上げて音声操作によりAVアンプやサウンドバーを操作できるようにもなる。

 DACへの電源供給についてはHi-Fiクオリティーの表面実装キャパシターがDN1070と同様に搭載され、基板上に最適なパターンを描いて配置されている。特に安定感の高い低域再生に寄与している。抵抗もソースからより多くの情報量が引き出せるよう、ファインサウンドレジスターが採用されている。

 Dolby AtmosにDTS:X、DSDネイティブ再生を含む多機能をこの価格帯で実現した、2017年のスタンダード価格帯のAVアンプにおける大本命といえそうだ。日本での正式発表を期待したい。

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