インタビュー
» 2017年05月26日 14時40分 UPDATE

滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」:自家焙煎コーヒーの楽しみ方――「The Roast」を作ったキーパーソンたちのこだわり (1/3)

[滝田勝紀,ITmedia]

 コーヒー好きにとって“世界一美味しいコーヒー”とは、自分の好み通りに淹れることができたコーヒーだろう。そのために豆の種類や淹れ方、あるいは器具にこだわる人などさまざまだが、なかなか手を出せなかったのが“焙煎”という行程。それを手軽に、誰でも楽しめるように企画されたのがパナソニックの「The Roast」(ザ・ロースト)だ。

パナソニック「The Roast」(ザ・ロースト)のイメージ

 The Roastは、季節に応じて厳選されたコーヒーの生豆が毎月2種類もしくは3種類届き、パッケージに印刷されているQRコードをiPhoneで読み込むと、Bluetooth対応の家庭用焙煎機が最適な形で焙煎してくれるというサービス込みのプロダクト。諸事情で開始時期が2カ月ほどずれ込んでしまったが、6月からいよいよ正式にサービスを提供することになった。今回は、The Roastを生み出したキーパーソンたちに話を聞き、そのこだわりと魅力を紹介していこう。

サービス概要

 キーパーソンとは、コーヒー豆の調達において全面協力している石光商事の買い付け担当者お2人、焙煎レシピを作成した豆香洞(とうかどう)コーヒーの焙煎士、後藤直紀氏、そしてパナソニック アプライアンス社でスマート焙煎機の開発に携わった井伊達哉氏だ。

さまざまな国に旅をするような楽しみを

 石光商事は、もともと米国で創業したコーヒー豆の輸入商社だ。コーヒー豆の仕入れは、各地で生産された豆をオークション形式で買い付ける方法、現地の会社から購入する方法などいくつかの方法があるが、石光商事の場合は世界中の農園に直接赴き、コーヒー農家の方々と人間関係を築きながら、生産されたコーヒー豆を買い付けるという昔ながらの方法にこだわっている。主にアフリカエリアのコーヒー豆の買い付けを担当する鈴木年秀氏がその理由について話してくれた。

コーヒー産地の様子

 「オークションで、そのときだけ美味しいコーヒー豆を買うことはできます。でも私たちが大事にしているのは、今年だけでなく、来年も再来年もおいしいコーヒー豆を購入すること。そのために焙煎してパッケージに入ったコーヒーを現地に持っていき、『去年の豆でこんなコーヒーに仕上がったよ』と現地の方々とやりとりをしながら、一緒に品質向上を目指して関係作りしています」

石光商事で主にブラジルエリアを担当している荒川正臣氏

 石光商事は世界を大きく4つのエリアに分け、コーヒー豆の買い付けを行っている。そして「産地の担当者はもちろん、社内の研究開発室、品質管理担当、営業担当が4者一体となってコーヒー豆の味を作りあげています」と教えてくれたのは、ブラジルエリアを担当している荒川正臣氏だ。「まずは生豆に接するところから楽しんでほしいですね。大きい豆、小さい豆、形の変わった豆などいろいろあります。そういう部分を知ると、もっとコーヒーを楽しめると思います」

カッピングテストと呼ばれる香りの検査
検査装置が並ぶ
毎月の生豆のセレクトは「パズルのようだった」という

 The Roastでは年間36種類(もしくは24種類)の生豆が届く。セレクトは石光商事とパナソニック、焙煎士のの後藤氏の3者で行ったが、それはまるでパズルのような作業だったという荒川氏。「旬というキーワードだけでは、うまく収まらない月がありますし、2カ月同じような味が続くと楽しんでもらえないかもしれません」。苦労して選んだ生豆はいずれもスペシャルティ豆(スペシャルティコーヒー協会が定めた風味品質評価基準をクリアしたもの)。そして毎月の組み合わせや提供時期まで考え抜いた自信作だという。

 「今回は産地の豆の情報を伝えるジャーニーペーパーも用意されます。毎月異なる産地の生豆をお届けしますので、いろいろな国に旅をしている気分を味わってほしいです」(荒川氏)

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