インタビュー
» 2017年06月21日 06時00分 UPDATE

「toio」をきっかけにソニーも変わる? 体感型おもちゃが示す本当の価値 (1/3)

[山本敦,ITmedia]

 ソニーの新規事業創出プロジェクト「SAP」(Seed Acceleration Program)から、12番目の商品となる“スマート・トイ”「toio」(トイオ)が発表された。「toioからソニーが考える次世代のエンターテインメントを発信したい」と語る開発者の田中章愛氏を訪ね、toioのコンセプトや搭載されているソニーの独自技術について詳しい話を聞いた。

「toio」の開発チームのリーダー、ソニー新規事業創出部 TA事業準備室 統括課長の田中章愛氏にインタビューした

ソニーのおもちゃ「toio」とは?

 toioの紹介については、ここでは簡単にプロフィールをまとめておくので、商品としての詳細については6月1日に東京おもちゃショーの開幕に合わせて発表された時のニュースも合わせて読んでいただきたい。

 本体の「toioコンソール」と、輪っかのかたちをした2台のコントローラー「toioリング」、モーターと車輪を搭載して動き回る2台の「toioコア キューブ」がメイン。コンテンツを収録したカートリッジ型の「toioタイトル」をコンソールに読み込ませると、toioが色んなゲームが楽しめるおもちゃになる。

本体の「toioコンソール」とケーブルでつながっている2台のコントローラー「toioリング」
toioで遊べるコンテンツ「toioタイトル」は小さなカートリッジに収録されている。コンソールに差し込んで遊べるようになる

 toioコア キューブ(以下:キューブ)が“ロボット”であるtoioの心臓部。中には小型のコンピューターや通信モジュール、加速度センサーなどを搭載する。2つのキューブをテーブルの上に載せて「ロボット相撲」のようなゲームも楽しめる。その時にテーブルの上に敷く専用のシートは、表面に細かなマス目が描かれていて、これをキューブの底に配置した光学センサーが読み取ることで、キューブが自身の座標や向きを把握する仕組みだ。この「絶対位置センサー」は、今回インタビューした田中氏のチームが開発したソニーの独自技術である。

キャラメルのハコぐらいの小さな本体にソニーのイノベーションを詰め込んだロボット「toioコア キューブ」。青いシートに描かれている縦横のマス目を「絶対位置センサー」が読み取ってキューブが動く
本体の底面には2つの車輪を搭載して動き回る

 toioコンソールから伸びたケーブルの先にある2つのtoioリングには複数のボタンや加速度センサーが搭載され、ボタンを押したりスライドさせたり、あるいはコントローラーを振ってキューブを操作する。toioに進行方向を読み込ませたり、その場で回転させるなどの動きを与えるための「ハプニングシール」「コマンドカード」を使えば、toioは専用のシートの上だけでなく、普通のテーブルや床の上でも遊ぶことができるおもちゃになる。

 toioは発表と同時にソニーのSAP商品が購入できるWebサイト「First Flight」で予約販売を開始した。6月30日までに購入すると12月1日の一般発売よりも少し早い11月下旬頃に届けられ、一足早く遊ぶことができる。クリスマスプレゼントにもぴったりだ。

toioに注ぎ込まれた「ソニーならではの技術」とは

 toioを開発した田中氏は、ソニーがSAPを起ち上げた頃からプロジェクトに参加して、これまで巣立っていったさまざまな商品の開発や設計にも関わってきた人物だ。️田中氏はソニーに入社後、ロボットの要素技術の研究に携わってきた。学生時代にはいま注目される車の自動運転技術とも関わりのある「移動ロボット」の研究を専門としていたそうだ。当時、ロボットが光学センサーを使って自分の周囲の環境を認識するという技術を研究してきたことが土台になり、toioの絶対位置センサーが誕生するきっかけになったのだとか。

 toioの開発はハードウェアの開発に携わってきた田中氏と、コンセプトを発案したソニーの次世代インタラクション研究者であるアンドレ・アレクシー氏が、いまから約5年前に発案したアイデアが“種”になった。その後、ソニーの社内オーディオションで優勝し、昨年6月から開発プロジェクトが始動。約1年でtoioとして発表の日を迎えた。

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