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» 2017年11月06日 11時20分 公開

ドイツ“ヘッドフォン御三家”からもフラグシップが続々――「秋のヘッドフォン祭り」で海外ブランドをチェック! (1/4)

恒例の「秋のヘッドフォン祭り」が開催された。とくに今回は、海外有名ブランドのハイエンドモデルが続々と登場。会場での音質レビューも含めてのリポートしよう。

[天野透,ITmedia]

 恒例の「秋のヘッドフォン祭り」が、11月3日(金、祝)と4日(土)に中野サンプラザで開催された。プレーヤー付属品からのステップアップに最適な低価格イヤフォンから、給料数か月分のハイエンドヘッドフォンまで、多種多様な国内外のイヤフォン/ヘッドフォンが勢ぞろい。とくに今回は、海外有名ブランドのハイエンドモデルが続々と登場。会場での音質レビューも含めてのリポートしよう。

会場の中野サンプラザ。2日夜は雨模様だった東京だが、3日は晴天に恵まれた

今回の“顔”はULTRASONEの「Edition 15」

 ヘッドフォン祭りでは毎回、主催者が最も注目したモデルがパンフレットの表紙を飾る。今回の“顔”はドイツ、ULTRASONE(ウルトラゾーン)の開放型ヘッドフォン「Edition 15」。2013年の「Edition 5」から実に4年ぶりとなる同ブランドのフラッグシップモデルだ。ハウジングはアメリカンチェリーウッドで枠取りされ、無数の穴があいたステンレスプレートでまとめられている。全体のシルエットやロゴ入りのヒンジ部などに、Editionシリーズの面影を感じられる。

4年ぶりとなるULTRASONEのフラッグシップモデル「Edition 15」。ロゴが刻まれたアイコニックなヒンジ部と、ハウジングの無数の穴が印象的なデザイン

 同社得意の「S-Logic EX」テクノロジーは、ドライバーを鼓膜の軸上から意図的にオフセットし(ずれた位置に組み込み)、環境音と同様に外耳に反射させてから耳の穴に届けるというもの。聞き疲れしにくい音になるのが特徴だ。

 ドライバーは、振動板にゴールド素材、センターキャップにチタン素材というハイブリッドタイプの40mm径を採用した。またハウジング下部のケーブルコネクターには信頼性の高さで知られるLEMO製の着脱が容易なもの。ヘッドパッドには柔らかい山羊革「メリノシープスキン」、イヤーパッドはマイクロベロア材など、フラッグシップモデルに相応しいマテリアルがふんだんに用いられた。Editionシリーズ恒例の豪華なハードケースも健在だ。

ドライバーはチタンとゴールドの複合材料。ドイツが誇る同社の技術が惜しみなく注ぎ込まれている

 会場で視聴してみたところ、音色はウッドベースなどの低音に量感を感じる暖色系で、スネアドラムのアタックといった高音には特徴的な刺激を軽く感じる、ULTRASONEの正統進化というものだった。ただし、従来よりも定位はずっと良く、歌手や楽器の立ち位置が分かりやすい。それ以上に従来機よりも解像感がずっと高く、音のニュアンスや空気感が明瞭(めいりょう)に伝わってくる。

 この2つの進化のおかげで、音楽が“聴感的にかなり自然”に聞こえる“と感じた。これは従来機ではあまり印象に残らなかった点であり、ブランドの新時代を思わせるインパクトがあった。

 会場のブーススタッフに話を聞いてみたところ、来場者の反応はそのほとんどが高評価とのこと。従来機よりも現代的なサウンドになったため、その“垢抜けた印象”に違和感を覚えるというファンもいたようだが、それ以上に音質と製品自体の質感の向上が受け入れられているという。従来ULTRASONEの音色に苦手意識を感じていたという人からも「これなら良いかも」と言われたとか。

 また、エージングが少なくても本来の音が出やすいという特徴も持ち合わせているようで、イベントなどで開封したての展示がされたとしても、他のモデルより本来の実力を感じやすいと話していた。

 ドイツの職人が1つ1つ手作りで生産するこだわりの逸品、Edition 15は生産数999台の限定生産で発売時期は未定。実売36万円前後(オープンプライス)になる見込みだ。

こちらが今回のポスター。Edition 15のデザインカットと思われるイラストが大きく配されている

 一方、Editionシリーズの1つ下のラインにも密閉型の新製品「Signature DXP」がお目見えした。春に登場した「Signature studio」とは違い、振動板には50mmのPET材を採用している。DJ向けモデル「Signature DJ」の弟分にあたる製品で、その出自からかサウンドバランスはドンシャリ系。ダブルベースなどの低音にはコシがあり、ギターなどの高音はキリッと締まっていた。

 だが基本的に音色の傾向はSignatureラインの一貫性があり、高い解像感から来るリアルな音像と緻密(ちみつ)な細部の描き込みが感じられる。Signature studioよりも鳴らしやすく、ポータブルでも音量が取りやすいということも特筆点だ。

Signatureラインの新製品「Signature DXP」も登場。パワー感と繊細さとを両立させた、使い勝手の良い1本だ
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