富士フイルムの「X-E3」。カタログの表紙には「MINIMALISM」(ミニマリズム)と描かれている。ミドルクラスのデジタル一眼でそこを主張するのもなかなか珍しいのだが、実物を見ると確かにそうなのだなあと思う。
すごくシンプルなんだけど削っちゃいけないとこは削ってない。機能や操作系の取捨選択がすごくいいのだ。普通、小さくシンプルにするとどうしても操作系が窮屈になったり省略されたりするんだけど、X-E3はそんなことないのである。小さくてシンプルなんだけど、Xシリーズならではのクラシカルで直感的な操作感をしっかり残してる。
カメラ然としたカメラが好きな人はぜひ使って見るべし、な製品なのだ。
X-E3は「X-E2」の後継機で、Xシリーズのミドルモデル。
Xシリーズはレンジファインダーカメラ風の、つまり上面がフラットな「X-Pro」と、一眼レフ風の、つまり中央にファインダー部が飛び出てる「X-T」の2つの系統を持っている。前者のミドルクラスモデルが「X-E3」、後者のミドルクラスモデルが「X-T20」で、無事4つの製品が揃ったわけである。
その特徴は、中身は基本的に同じ、ってこと。発売時期による多少の違いはあるが、センサーは同じだし画像処理エンジンも同じ。AFも同じ。だから上位機種と同じクオリティーを得られる。これはよい。
そこから何が必要で何が必要でないか、引き算をしてボディをぎゅっと引き締め、小型化したのがX-E3といっていいのだが、その引き算っぷりが潔くていいのだ。
最初に感じたのはそこである。
ミニマリズムといいながらXシリーズの操作系はしっかり受け継いおり、上面から見るとよく分かる。中央にアクセサリシューがあり、右側に露出補正ダイヤルとシャッタースピードダイヤル。このシリーズはモードダイヤルはなく、シャッタースピードと絞りを「オート」にするとプログラムAEとなる仕組みで、実はすごく分かりやすい。分かりやすいけど、オートで気軽に撮りたい人もいるわけで、オートスイッチが付いている。これをオートにすればいつでもシーン自動認識のフルオートになる。フルオート時でも露出補正が使えるのも良し。
引き算されたのは内蔵フラッシュ。X-E2では内蔵されていたフラッシュが外付けになった(外付けフラッシュが付属する)。不便なこともあるが、フラッシュを使うよりはISO感度を上げて対応しようという昨今のトレンドに合わせた形だ。
前後の電子ダイヤルも健在である。
注目すべきは背面。
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